Notionと紙の使い分け!経営者のためのハイブリッド手帳

Notion(デジタル)と紙(アナログ)の使い分け!
経営者のためのハイブリッド手帳

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デジタル化時代に紙の手帳が再評価されている

「すべてデジタル化すれば効率が上がる」

そんな思い込みで長年使っていた紙の手帳を捨てようとしていませんか?
ちょっと待ってください。
2025年の今、むしろ紙とデジタルを組み合わせた「ハイブリッドDX戦略」が注目を集めています。

Notionの導入や活用支援を通じて様々なクライアントのDX推進を担当した経験から言えるのは、単純にアナログをデジタルに置き換えるだけでは本当の意味での効率化は実現できないということです。

Notionをはじめとするデジタルツールの台頭により紙の手帳は時代遅れと思われがちです。
しかし実際にはデジタルとアナログの両者を組み合わせることで、それぞれの強みを活かした使い勝手のいい情報管理システムを構築できるのです。

なぜ今、紙の手帳とNotionのハイブリッド活用が効果的なのでしょうか?

紙の手帳とNotion手帳、それぞれに特性がある

紙とNotionはそれぞれ異なる特性を持っています。まずはその違いから。

紙の手帳の最大の強みは「俯瞰性」です。
1ページで1ヶ月、1年の予定を一覧できる点はデジタルツールでは完全に再現できません。表示はできますが見やすいですか?確認したい情報を1画面で全て満足に取得できますか?ということ。
また、手書きすることで記憶に残りやすく思考を整理しやすいという特徴もあります。

実際に「スマホでは1ヶ月、1年俯瞰して見ることができないから、紙の手帳を使う」という声をよくお聞きします。これは多くの方が感じている紙の手帳のメリットでしょう。

一方、Notionの強みは「情報の一元管理」と「検索性」にあります。
散らばっていた情報を一箇所に集約し必要な時にすぐ検索できる点は、紙の手帳にはない魅力です。

特に複数のプロジェクトを同時進行する場合やチームへの情報共有が必要な場面でNotionが力を発揮します。
実際に「Notionは単なるドキュメンテーションツールやプロジェクト/タスク管理ツールではなく業務の中心となるツール」と評価いただいています。

つまり、どちらか一方を選ぶのではなくそれぞれの強みを活かす「ハイブリッド戦略」が最適解です。

ハイブリッド活用の具体的方法

では、具体的にどのように紙の手帳とNotionを併用すれば良いのでしょうか?

最も効果的な方法は「思考のプロセス」と「情報の保存先」を明確に分けることです。

1. アイデア出しと思考整理は紙の手帳で

新しいアイデアを考えたり複雑な問題を整理したりする場面では紙の手帳が威力を発揮します。
手を動かしながら考えることで脳が活性化し、より創造的な思考ができるからです。

アナログの方がアウトプットするスピードが早い。書くことで意見がまとまったりクリアになる。簡単な図解やラフスケッチなど、キレイにまとめられる段階ではないけどアイディアを素早くアウトプットしたい時には、デジタルツールよりも紙の方が適しています。

2. 情報の保存と共有はNotionで

整理したアイデアや情報を必要に応じて検索・共有する場面ではNotionの出番です。紙の手帳に書いた内容は、後からNotionに転記することで散逸を防ぎチームでの共有も容易になります。

紙だったり、ホワイトボードだったり、アイディア出しは広く早く出すためにアナログで。書き出して議論したりまとまった情報はすべてNotionに集約するというハイブリッド活用なら思考を妨げず、かつ後で振り返りや引き出しが容易になります。

思考する→書く→Notionに蓄積する。このサイクルを確立することで、アナログとデジタルの良いとこ取りができるのです。

タイムブロッキングでハイブリッド戦略を強化する

ハイブリッド戦略をさらに効果的にするには「タイムブロッキング」という手法が有効です。

タイムブロッキングとは、1日の時間をいくつかのブロックに分割しそれぞれを特定のタスクやプロジェクトに割り当てるスケジュール管理術です。従来のToDoリストでは「やること」だけしか書きませんが、タイムブロッキングでは「いつ何をやるのか」をカレンダーに具体的に反映させます。
学生時代の「時間割」のようなイメージです。

デジタルツールの充実やリモートワークの一般化など、私たちは多くのアプリや多様で多用な連絡手段による「簡単にコミュニケーションが取れる時代」に身を置いています。
便利になる一方でアプリや通知にルーティンを乱され、「集中してやるべきことをやる」ことがしづらい状況では、タイムブロッキングがかつてないほど大事になっています。

このタイムブロッキングを紙の手帳とNotionの両方で実践することで、相乗効果が生まれます。

紙の手帳でのタイムブロッキング

紙の手帳では1週間や1ヶ月の予定を俯瞰しながら、大まかな時間ブロックを設定します。色分けしたり、手書きならではの自由な表現で、視覚的に分かりやすく時間を区切ることができます。

特に重要なのは、「集中作業ブロック」と「リフレッシュブロック」を明確に分けること。デジタルデバイスから離れて集中したい時間帯を紙の手帳で計画しておくことで、通知に邪魔されない深い集中状態を作り出せます。

Notionでのタイムブロッキングとタスク連携

紙の手帳で設計した時間ブロックをNotionでデジタル化し、より詳細なタスク管理と連携させます。Notionのカレンダービューとデータベース機能を組み合わせることで、各時間ブロックに関連するタスクや資料を紐づけることができます。

Notionのリマインダー機能を活用すれば重要な予定の通知も受け取れます。
Notionに@を入力するとメンション(指定やリンク)ができ、予定を貼り付けるとリマインダー(通知タイミングや宛先)が設定でき、時間が来るとパソコンやスマホに表示させることができます。予定以外にも、資料や案件の概要など関連情報のリンクを貼れたり、担当者を指定したりすることができます。

ハイブリッドDX戦略の実践例

ここでは、私が実際に経験した、紙の手帳とNotionを組み合わせたハイブリッドDX戦略の成功事例をご紹介します。

ある中小企業のDX推進プロジェクトでは、最初は「すべてをNotionに移行する」という方針でした。しかし、社員の多くが長年使い慣れていたホワイトボードや紙の手帳やノートを重宝しており、急激な変化に抵抗感がありました。

そこで提案したのが、「ホワイトボードやノートなどアナログは捨てずにNotionと併用する」というハイブリッド戦略でした。具体的には以下のような役割分担を設定しました。

紙(アナログ)の役割

  • 個人の日々のスケジュール管理
  • 会議やミーティングでのメモ取り
  • アイデア出しや思考整理
  • タスクの優先順位付け

Notion(デジタル)の役割

  • プロジェクト全体の進捗管理
  • チーム間の情報共有
  • 会議議事録の保存と共有
  • 資料やノウハウなどの一元管理

この方法を導入した結果、社員さんからは「アナログと併用だから抵抗感無く新しいツールの導入に取り組めた」「慣れ親しんだ紙の良さを活かしながら情報共有もスムーズになった」「アナログでは不便だったり無駄だと感じていたことがデジタル化されると便利だなと体感できた」という評価をいただきました。

特に効果的だったのは紙の手帳で個人的なタスク管理をしながら、チームで共有すべき情報だけをNotionに集約するというルールを明確にしたことです。
シンプルでわかりやすいルールを設けることで、情報の二重管理を防ぎそれぞれのツールの強みを最大限に活かせました。

Notionとの連携で紙の手帳を最大限活用する方法

紙の手帳とNotionを連携させるには、いくつかのコツがあります。ここでは、実践的なテクニックをご紹介します。

1. 相互参照できるシステムや運用ルールの構築

紙の手帳とNotionを効率的に連携させるには相互参照できるシステムが必要です。例えば紙の手帳の特定ページとNotionの特定ページを紐づけるインデックスを作成しましょう。

具体的には紙の手帳の各ページに通し番号を振り、その番号をNotionのデータベースに記録します。こうすることで、Notionで情報を探している時に「詳細は手帳のP.23を参照」といった形で紐づけができます。

2. 定期的な振り返りと転記の習慣化

導入して終わり・つくって終わりではなく、定期的な振り返りと必要な情報の転記がハイブリッド戦略を成功させる上で欠かせません。
例えば、毎日の終わりに5分、または週末に30分の時間を設けて、紙の手帳に書いた重要な情報をNotionに転記する習慣をつけましょう。

思考する→書く→Notionに蓄積するというプロセスを習慣化することが、個々人が持っている情報をNotionに蓄積する、いわば「個の得た情報を組織としての情報資産に昇華する」上で重要です。

3. 手帳とNotionの役割分担を明確にする

紙の手帳とNotionの使い分けルールを明確にしておくことも大切です。例えば以下のような役割分担が考えられます。

  • 短期的なタスク管理:紙の手帳
  • 長期的なプロジェクト管理:Notion
  • 個人的なアイデアメモ:紙の手帳
  • チームで共有すべき情報:Notion
  • 会議中の即時メモ:紙の手帳
  • 整理された会議議事録:Notion

このように役割を明確にすることで、二重管理のストレスを減らし、それぞれのツールの強みを活かせます。

ハイブリッドDX戦略を組織に導入するステップ

個人での活用を超え組織全体でハイブリッドDX戦略を導入するには段階的な導入と実践が肝心です。

ステップ1 現状分析と課題の明確化

現在の情報管理方法や業務フローを分析しボトルネックを特定します。「情報が散らばっている」「検索性が低い」「情報共有が非効率」といった課題を洗い出しましょう。

BaseTreeのNotion導入支援サービスではこの「現状整理」の段階からスタート。
現状の情報共有方法や課題をヒアリングし、ムダ・抜け・漏れ・重複などボトルネックを整理するところから始めます。

ステップ2 ハイブリッド戦略の構造設計

紙の手帳とNotionをどのように組み合わせるか具体的な戦略を設計します。
どの業務プロセスをどのツールで管理するか、情報の流れをどうするかを明確にしましょう。

BaseTreeの「構造設計」フェーズでは、何をページ/データベースにするか?を俯瞰的に整理した全体図を作成。売上向上や業務効率化など、共有いただいた課題に合わせ一緒にカスタマイズしていきます。

ステップ3 試験導入と検証

全社展開の前に小規模なチームや部分的な業務で試験導入を行い効果を検証します。
この段階で問題点を洗い出し貴社にフィットするための改善策を検討します。

導入後の定着・浸透には『自分でつくる』『仕組みがわかる』ことが重要だとBaseTreeは考えます。試験導入を通じて貴社の経営者様または社員さんがハイブリッド戦略の仕組みを理解し、構築はもちろん、改修や追加といった「運用」に必要な機能と構造を理解することが重要です。

ステップ4 展開とフォローアップ

試験導入後のカイゼンを踏まえいよいよお披露目です。
「構築に携わっていない人でも使える」ための十分な研修とサポート体制を整え、デジタル化やNotionへの抵抗感を軽減することが重要です。

BaseTreeは、全40項目超のNotionトレーニングや運用開始後のアフターフォローを提供。業務の中に組み込むことで出た疑問や要望を、担当者様と一緒にカイゼンしていきます。

ハイブリッドDX戦略の導入は一朝一夕にはいきません。
しかし、段階的なアプローチと適切なサポートがあれば組織全体の生産性向上につながります。

まとめ 紙とデジタルの共存がもたらす現実的なDX

紙の手帳とNotionを組み合わせたハイブリッドDX戦略について解説してきました。
最後に、本記事をまとめます。

DXとは単にアナログをデジタルに置き換えることではなく、デジタル技術を活用して業務プロセスや組織文化を変革することです。その観点から見れば、紙の手帳を捨てずにNotionと組み合わせる「ハイブリッド戦略」こそが、真のDXと言えるのではないでしょうか。

紙の手帳の俯瞰性、手書きの思考整理効果、集中力向上といった強みと、Notionの情報一元管理、検索性、共有のしやすさといった強みを組み合わせることで、それぞれの弱点を補い合う最強の情報管理システムが構築できます。

重要なのは、ツール選びではなく「どのように情報を管理し、活用するか」という視点です。紙かデジタルかという二項対立ではなく、それぞれの特性を理解し、最適な組み合わせを見つけることが大切です。

2025年の今、デジタル化の波はさらに加速しています。
だからこそ「捨てるべきではないアナログの価値」があるのです。
紙の手帳とNotionのハイブリッド活用はその象徴的な例と言えるでしょう。

あなたも今日から、紙の手帳を捨てずに、Notionとの最適な組み合わせを探ってみませんか?

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