Webサイトのフッター設計|UX向上5つのポイント
Webサイトのフッター設計
UX向上5つのポイント

このページのコンテンツ
- Webサイトのフッターとは?フッターが持つ重要性と基本的役割
- 最適なフッター設計のための5つのポイント
- 業種別・目的別フッター設計のポイント
- フッター設計における技術的・視覚的な3つのポイント
- フッター設計のトレンドと今後の展望
- まとめ|効果的なフッター設計で実現するUX向上
- 本記事の著者
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Webサイトのフッターとは?フッターが持つ重要性と基本的役割
Webサイトのフッターは、ページの最下部に配置される要素であり、ユーザー体験に大きな影響を与える重要な部分です。
多くの企業サイトでは、このフッター部分の設計が後回しにされがちですが、実はユーザーの回遊率やコンバージョン率に直結する重要な役割を担っています。
フッターは単なるページの終わりを示す装飾ではなく、ユーザーが求める情報への「最後の砦」として機能します。
ユーザーがページを下までスクロールしても探していた情報が見つからない場合、フッターは安全弁、サイト離脱を防ぐ最後のチャンス。
”ユーザーはファーストビュー(最初に画面に表示される部分)直後にピークを迎え、スクロールするにつれて緩やかに低下していき離脱。つまり「ユーザーはフッターまで見ていない」”という通念をよくお聞きしますが、それは単なる思い込みです。
実際、あるWebサイトで”フッターにコールトゥアクション(CTA)を配置したことで、コンバージョン率が50%も上昇した”という調査結果もあります。
フッターの設計は、サイト全体のパフォーマンスに大きく影響するのです。
最適なフッター設計のための5つのポイント
Webサイトのフッター設計で肝心なのは「ユーザーの行動パターン理解と行動に合わせた設計」です。
UX(ユーザーエクスペリエンス、ユーザーのサイト閲覧体験)向上に直結する5つのポイントについて解説します。
バランスよく取り入れて「ユーザーにとって使いやすいフッター」であり、「自社の目標達成に貢献するフッター」を設計してください。
1. サイトナビゲーションとサイトマップ
フッターの基本的な役割として「サイト内の主要ページへのリンクを提供する」があります。
ユーザーはトップページだけでなく、検索エンジンからの流入などで様々なページに直接アクセスします。
どのページからでも重要なコンテンツにアクセスできるよう、フッターにサイトマップを設置することが重要です。

サイトマップは単なるリンクの羅列ではなく、情報の階層構造を反映した設計にしましょう。
主要カテゴリごとにグループ化、視覚的に区別しやすいデザインなど、ユーザーが必要な情報に素早くアクセスできるようにします。
楽天市場のフッターは、「お買い物」「旅行」「ビジネス」などのカテゴリごとに明確に区分けされており、見やすさを重視した好例です。
ジャンル別の棲み分けは、大規模サイトにおいて特に重要な設計ポイントです。
2. 問い合わせ情報とCTAの配置
フッターには、ユーザーがアクションを起こすための導線としての役割もあります。
問い合わせフォームへのリンクや電話番号、メールアドレスなどの連絡先情報は、すでにヘッダーやコンテンツ内に記載されていたとしても、再度フッターに配置しましょう。
ただし、CTAの配置には戦略的判断が必要です。
フッターに配置するCTAはサイトの主目的に直結するものよりも、メールマガジンの購読や問い合わせ先の入力といった二次的な目標への導線設置がおすすめです。
あるECサイトでは、フッターに「お気に入りに追加」や「ウィッシュリストに保存」などのCTAを配置することで、ユーザーの再訪問率が向上したという事例もあります。
ユーザーの購買プロセスを補助するCTAをフッターに配置することで、コンバージョンへの道筋がつくれます。
3. 企業情報と信頼性の構築
フッターは企業の信頼性を高める場所でもあります。
会社概要、沿革、ミッションステートメントなどの企業情報を掲載することで、ユーザーに安心感を与えることができます。
特に初めてサイトを訪れるユーザーにとって、企業の基本情報はサイトの信頼性を判断する重要な材料です。
法人番号や所在地、代表者名などの基本情報を明記し、透明性を高め、信頼性の醸成につなげます。
受賞歴やメディア掲載実績、業界団体への加盟情報などの情報も、ユーザーに「ちゃんとしてるので安心してください」というメッセージを伝える重要な要素です。
4. 法的情報とプライバシーポリシー
EU一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)など、世界各国でプライバシー保護に関する法規制が強化される中、法的情報の掲載はますます重要になっています。
プライバシーポリシー、利用規約、特定商取引法に基づく表記など、法的に必要な情報はユーザーが常に見つけられる場所に配置することが求められています。
法的情報は小さな文字で目立たないように配置されることが多いです。
しかしユーザー視点からもアクセシビリティの観点からも、適切なフォントサイズと視認性を確保し、フッター内で明確に区別することをおすすめします。
5. ソーシャルメディアリンクとブランドエンゲージメント
現代のWebサイトでは、ソーシャルメディアとの連携が不可欠です。
ユーザーとのコミュニケーションチャネルを拡大し、ブランドエンゲージメント(自社との接点や接触)を高めます。
フッターはソーシャルメディアアカウントへのリンクを配置する定番の場所となっています。
ソーシャルメディアアイコンは視認性を高めるためにも、適切なサイズと色で統一感を持たせましょう。
単にアイコンを並べるだけでなく”最新情報はこちら”など「サイト内の情報と何が違うのか?」「フォローするメリットは?」が分かる簡単な説明文を添えることで、クリック率を高める効果も期待できます。
InstagramやXなどの最新投稿をフッターに表示する企業も増えています。
最新投稿表示のメリットは「サイト訪問者にリアルタイムの情報提供」と「ソーシャルメディアへの自然な誘導」が行える点です。
業種別・目的別フッター設計のポイント
フッターの設計は、サイトの目的や業種によって最適な形が異なります。
共通するのは「ユーザーがサイトに求める情報を的確に提供する」こと。
業種や目的に合わせたフッター設計が、ユーザーの期待に応え、サイト全体のパフォーマンスを向上させます。
本記事では代表的な業種や目的別にフッター設計のポイントを解説します。
自社のWebサイトに最適なフッター設計の参考にしてください。
ECサイトのフッター設計
ECサイトのフッターでは、商品カテゴリへのリンク、配送・返品ポリシー、支払い方法、カスタマーサポート情報を記載します。
ユーザーが購入前に確認したい情報に素早くアクセスできるよう、情報を明確に区分けして配置することがポイントです。
セキュリティバッジやSSL証明書の表示、支払い方法のアイコン表示など、ユーザーの購入不安を軽減する役割も担います。
UNIQLOのフッターは、商品カテゴリ、サポート情報、会社情報などが明確に区分けされており、ユーザーが必要な情報に素早くアクセスできる設計になっています。
「よくある質問」や「お問い合わせ」などのサポート情報が目立つ位置に配置されている点は、ECサイトとして理想的な設計と言えるでしょう。
コーポレートサイトのフッター設計
企業の公式サイトでは、会社概要、IR情報、採用情報、プレスリリースなどの企業情報を記載します。
情報を体系的に整理し、ステークホルダーごとに必要な情報にアクセスしやすい設計が求められます。
創業年や実績、受賞歴などの情報を配置することで、企業のブランド価値や信頼性、安定性を高める効果も期待できます。
髙松建設株式会社のフッターは、会社情報、事業内容、採用情報、IR情報などが整理されており、様々なステークホルダーが必要な情報に素早くアクセスできる設計になっています。
投資家や就職希望者など、異なるターゲットに対して適切な導線を用意している点が優れています。
メディアサイト・ブログのフッター設計
ニュースサイトやブログでは、カテゴリ別の記事リンク、人気記事、最新記事などのコンテンツナビゲーションを記載します。
ユーザーの回遊率を高め、滞在時間を延ばすための導線設計がポイントです。
ニュースレター登録フォームや執筆者情報、編集方針などの情報も重要です。
特にニュースレター登録は、リピーターを増やすための重要な施策となるため、目立つデザインで配置することをおすすめします。
株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントのフッターは、コンテンツカテゴリ、アーティスト情報、イベント情報などが整理されており、ユーザーが興味のあるコンテンツに素早くアクセスできる設計になっています。
コンテンツの分類が明確で、ユーザーの回遊を促す設計が特徴的です。
フッター設計における技術的・視覚的な3つのポイント

フッターの設計では、情報設計だけでなく、技術的・視覚的な側面による設計も重要です。
ユーザビリティとブランドイメージの両立です。
フッターを実装する際の技術的なポイントと、視覚的に効果的なデザインのポイントについて解説します。
このポイントを押さえることで、情報が整理された使いやすいフッターを実装できるだけでなく、サイト全体の統一感や視覚的な完成度を高めることができます。
レスポンシブデザインへの対応
現代のWebサイト設計では、様々なデバイスに対応したレスポンシブデザインが不可欠です。
フッターも例外ではなく、PC、タブレット、スマートフォンなど、異なる画面サイズに適切に対応する必要があります。
特にスマートフォンでは画面が小さいため、PCと同じ情報量をそのまま表示すると視認性が低下します。
デバイスごとに表示する情報の優先順位を決め、スマートフォンでは特に重要な情報のみを表示するなどの工夫が必要です。
CSS GridやFlexboxなどのモダンなレイアウト技術を活用することで、柔軟なレスポンシブデザインを実現できます。
特にCSS Gridは複雑なフッターレイアウトを簡潔なコードで実装できるため、積極的に活用することをおすすめします。
アコーディオン形式(クリックで開閉)のメニューを採用することで、スマートフォンでも情報量を確保しつつ、初期表示をコンパクトに保てます。
ユーザーが必要に応じて詳細情報を展開できる設計は、モバイルフレンドリーなフッターの一例です。
視覚的階層と情報の整理
フッターには多くの情報が含まれるため、視覚的な階層を明確にし情報を整理します。
グループごとに見出しを設け、関連情報をまとめる、ユーザーが必要な情報を素早く取得できるようにします。
情報同士の間隔を適切に取る余白(ホワイトスペース)を適切に活用することで視認性が向上し、ユーザーは情報を整理して認識できるようになります。
詰め込みすぎは避け、適度な余白を確保しましょう。
フォントサイズやカラーコントラストは、特に法的情報など小さなテキストでも、十分な可読性を確保することがアクセシビリティの観点から重要です。
ブランドアイデンティティとの一貫性
フッターはサイト全体のブランドアイデンティティと一貫性を明示する場です。
サイト全体で使用しているカラーパレット、フォント、デザイン要素をフッターにも適用することで、統一感のあるデザインを実現できます。
ロゴやブランドステートメントをフッターに配置することで、ブランドの印象を強化します。
特にページの最下部まで読み進めたユーザーに対して、最後にブランドメッセージを伝えると記憶に残りやすいという利点があります。
佐川急便株式会社のフッターは、企業カラーを効果的に活用し、サイト全体との統一感を保ちながらも、情報が整理された見やすいデザインになっています。ブランドアイデンティティを反映しつつ、機能性も確保された好例と言えるでしょう。
フッター設計のトレンドと今後の展望
Webデザインは常に進化しており、フッター設計のトレンドも変化し続けています。
2025年現在のフッター設計の最新トレンドと、今後の展望について解説します。
最新のデザイントレンドを取り入れつつも、ユーザーにとって使いやすいフッター設計を心がけましょう。
トレンドを取り入れることでユーザビリティが犠牲にならないよう注意してください。
ミニマリストデザインの台頭(シンプルデザイン)
近年のWebデザインでは、シンプルで洗練されたミニマリストデザインが人気を集めています。
フッター設計においても、必要最小限の情報に絞り込み、余白を効果的に活用したデザインが増えています。
このトレンドの背景には、情報過多による認知負荷の軽減と、モバイルファーストの考え方があります。
特にスマートフォンでの閲覧が主流となる中、限られた画面スペースで効果的に情報を伝えるためのアプローチとして、ミニマリストデザインが注目されています。
ただし、情報を削減しすぎると、ユーザーが必要な情報にアクセスできなくなる恐れもあります。
本当に必要な情報は何かを見極め、適切なバランスを取ることが重要です。
インタラクティブ要素の活用(動きや効果のある要素・デザイン)
静的なリンクの羅列だけでなく、インタラクティブな要素を取り入れたフッターも増えています。
例えばアコーディオンメニュー、ホバーエフェクト、アニメーション効果などの活用で、ユーザー行動の促進ができます。
特に注目されているのは、マイクロインタラクションと呼ばれる小さな反応です。
ボタンにカーソルをかざした時の色変化やアイコンの動きなど、小さな変化がサイトの印象を向上させる効果があります。
ただし、過度なアニメーションやエフェクトはページの読み込み速度に影響を与えたり、ユーザビリティを損なったりする可能性もあります。機能性とデザイン性のバランスを考慮した実装が求められます。
パーソナライゼーションとコンテキストアウェアネス(個別最適化、個別具体的な提案)
ユーザーの行動履歴や好みに基づいてコンテンツをカスタマイズする「パーソナライゼーション」の技術が進化しています。
フッター設計においても、ユーザーの過去の閲覧履歴や興味に基づいて、表示する情報やリンクをカスタマイズする取り組みが始まっています。
例えばECサイトでは、ユーザーが閲覧した商品カテゴリに関連するリンクをフッターに優先表示したり、ニュースサイトでは、ユーザーが興味を示した記事カテゴリへのリンクを目立たせたりする仕組みが実装されています。
また、ユーザーの現在のコンテキスト(デバイス、時間帯、位置情報など)に応じて、フッターの内容を動的に変更する「コンテキストアウェアネス」も注目されています。
例えば、営業時間内であれば電話番号を、営業時間外であればメールフォームを優先表示するなどの工夫が考えられます。
まとめ|効果的なフッター設計で実現するUX向上
Webサイトのフッターは一見地味な存在に思えますが、ユーザー体験に大きな影響を与える重要な要素です。
適切に設計されたフッターは、ユーザーの回遊率を高め、コンバージョン率の向上にも貢献します。
最適なフッター設計のための5つのポイント
本記事で解説した5つの重要要素を意識し、自社のWebサイトに最適なフッター設計を行いましょう。
- サイトナビゲーション
- 問い合わせ情報とCTA
- 企業情報と信頼性の構築
- 法的情報とプライバシーポリシー
- ソーシャルメディアリンクとブランドエンゲージメント
フッター設計における技術的・視覚的な3つのポイント
- レスポンシブデザインへの対応
- 視覚的階層と情報の整理
- ブランドアイデンティティとの一貫性
ユーザーの視点に立ち、必要な情報に素早くアクセスできる設計を心がけ、情報過多を避け、整理された情報構造と視覚的階層を持つフッターは、ユーザーにとって使いやすく、サイト全体の印象も向上させます。
フッター設計は一度完成したら終わりではありません。
ユーザーの行動分析や最新トレンドを取り入れながら、定期的にアクセス解析データを確認し、ユーザーのニーズに合わせた最適化を行いましょう。
効果的なフッター設計によって、ユーザー体験向上とビジネス目標達成が両立できます。
本記事を参考に自社のWebサイトのフッター設計を見直し、改善に取り組んでみてください。
フッター設計、Webサイト制作やリニューアルをご検討の埼玉県・群馬県の事業者の方は、BaseTreeのWebサイト制作ページをご覧ください。
BaseTreeではユーザー視点に立った情報設計と構造化により、成果につながるWebサイトを制作します。