Webサイト診断とは？Webサイトの健康状態を確認する重要性

Webサイトは企業の顔です。24時間365日、あなたの会社の価値を世界中に発信し続ける重要な資産です。しかし、多くの企業がWebサイトを作って終わり、という状態に陥っています。

あなたのサイトは今、健全に機能していますか？

10年間様々な企業のWebサイト制作・改善に携わってきた経験から、定期的なサイト診断はWebサイトの成否に直結します。サイト診断とはWebサイトの現状を様々な角度から分析し、改善点を洗い出すプロセスのことを指します。技術面、デザイン面、コンテンツ面、そしてユーザー体験など、多角的な視点からサイトの健全性を確認します。

Webサイトを取り巻く環境は急速に変化しています。Googleのアルゴリズム更新、ユーザーの行動変化、セキュリティ要件の厳格化など、様々な要因がサイトのパフォーマンスに影響を与えています。

この記事では、10年間のWeb制作経験と数百のサイト改善プロジェクトから得た知見をもとに「今すぐ自分でできるサイト診断の重要チェックポイント9選」をご紹介。あなたのWebサイトが持つ潜在的な問題点を特定し、改善策を講じることができます。

Webサイト診断１｜ページ表示速度の最適化とモバイル対応

サイトの表示速度は、ユーザー体験とSEOの両方に直接影響する最重要要素です。GoogleのCore Web Vitalsの導入以降、ページ速度の重要性はさらに高まっています。

あなたのサイトは何秒で表示されていますか？

2025年の最新データによると、モバイルユーザーの53%は、ページの読み込みに3秒以上かかるとサイトを離脱するという調査結果が出ています。つまり表示速度の遅さは直接的な機会損失につながるのです。

表示速度の診断には、Google PageSpeed Insightsを用います。

ページ表示速度の最適化チェックポイント

• PC/モバイルそれぞれの表示速度
• 画像の最適化状況（WebP形式の採用、適切なサイズ設定）
• JavaScriptとCSSの圧縮・遅延読み込み設定（コードの最適化、段階的なコンテンツ読み込み）
• ブラウザキャッシュの活用状況（再表示時の高速化）
• サーバーレスポンスタイム（サーバーの処理速度）
• First Contentful Paint（FCP）の値（ページ上部のコンテンツの読込・描画速度）
• Largest Contentful Paint（LCP）の値（ページ内で最も大きいデータやコンテンツの読込・描画速度）

日本では2025年現在、Webアクセスの約78%がモバイル端末から。モバイルファーストの時代においてスマートフォンでの表示速度最適化は最優先事項です。

表示速度改善のための具体的なアクションは、画像の最適化、不要なプラグインの削除、高速なホスティングサービスの選択など。対策を講じることでユーザー体験の向上とSEOパフォーマンスの改善が同時にできます。

モバイルファーストはもはや常識ですが「レスポンシブデザインを採用している」というだけでは不十分なのをご存知でしょうか？

真のモバイル対応とは画面サイズに合わせてレイアウトが変わるだけではなく、ユーザーの行動パターンや操作性、視認性まで考慮した総合的な設計が求められます。

モバイル対応のチェックポイント

• すべてのページでのレスポンシブ対応状況（見落としがちな下層ページも含む）
• タップターゲット（ボタンやリンク）のサイズと間隔の適切さ
• フォントサイズの読みやすさ（最小16pxが推奨）
• フォーム入力のモバイル最適化（適切なinputタイプの設定など）
• ハンバーガーメニュー（三本線のモバイル用メニュー）などモバイルナビゲーションの使いやすさ
• ページコンテンツの優先順位付け（モバイルでは最重要情報を上部に配置）

小さな画面でも快適に情報を得られ操作できるか。この視点でサイト全体を徹底的にチェックしてみてください。

モバイル対応診断はGoogleのモバイルフレンドリーテストや実際のデバイスで検証してください。OSによって表示や挙動が異なることがあるため、iPhoneとAndroidの両方を実機で確認することをおすすめします。

Webサイト診断２｜SEO基本要素の最適化状況

SEOは常に進化していますが基本的な要素の重要性は変わりません。2025年のGoogleアルゴリズムにおいても、これらの基本要素は検索順位を決定する重要な要因となっています。

あなたのサイトは、SEOの基本要素をきちんと押さえていますか？

SEO基本要素のチェックポイント

• タイトルタグの最適化（キーワードを含み、60文字以内）
• メタディスクリプションの充実度（検索意図に応える内容で160文字以内）
• 見出し構造の適切な階層化（H1〜H6の論理的な使用）
• 内部リンク構造の最適化（重要ページへの適切なリンク配置）
• 画像のalt属性設定状況
• URLの最適化（簡潔で理解しやすい構造）
• 構造化データ（スキーママークアップ）の実装状況
• E-E-A-Tの要素をサイト内に配置

2025年のSEOで重要性が増している「E-E-A-T」（経験、専門性、権威性、信頼性）の要素を示すコンテンツや情報がサイト内に適切に配置されているかを確認してください。

私の経験では、基本的なSEO要素の最適化だけで、検索順位が大幅に改善するケースが数多くあります。あるクライアントでは、タイトルタグとメタディスクリプションの最適化、そして見出し構造の改善だけで、主要キーワードの検索順位が平均12位上昇しました。

SEO診断ツールはAhrefs、SEMrush、Screaming Frogなどがあります。ツールを使ってサイト全体のSEO要素を網羅的にチェックし、改善点を洗い出しましょう。

Webサイト診断３｜コンテンツの質と更新頻度

「コンテンツイズキング」という言葉があります。

2025年の現在では「質の高いコンテンツはキング、そして定期的な更新は女王」と言えるでしょう。

Googleのアルゴリズムはコンテンツの質と鮮度を重視する方向に進化し続けています。特に「有益なコンテンツ」の提供が、これまで以上に重要になっています。

「質の高いコンテンツ」はWebサイト制作時に制作会社と共に作成したが、コンテンツの見直し・上書き修正・追加など「定期的な更新」ができていない、ドキッとしたという方も多いのではないでしょうか。

コンテンツの質と更新頻度のチェックポイント

• コンテンツの専門性と深さ（表面的な情報ではなく、価値ある洞察を提供しているか）
• ユーザーの検索意図への適合度（ユーザーが求める情報を的確に提供しているか）
• コンテンツの更新頻度（業界の変化に対応した情報更新がされているか）
• 古いコンテンツのリフレッシュ状況（過去の記事が最新情報に更新されているか）
• オリジナリティ（他サイトにはない独自の視点や情報があるか）
• 読みやすさ（適切な見出し、段落、リスト、画像の使用）
• ユーザーエンゲージメント指標（滞在時間、直帰率、ページ/セッション数）

コンテンツの質を高めるためにターゲットユーザーの「ニーズ」を深く理解することが不可欠です。「何を伝えたいか」ではなく「ユーザーが何を知りたいか」という視点でコンテンツを見直してみましょう。

コンテンツの質を高めるには時間と労力がかかりますがその投資効果は非常に大きく、専門分野における深い知見（ノウハウや実績）を共有することで、サイトの権威性と信頼性を高めることができます。

Webサイト診断４｜ユーザー体験（UX）の総合評価

優れたユーザー体験（UX）を提供するサイトは、訪問者の滞在時間を延ばし、コンバージョン率を高め、リピーターを増やします。

あなたのサイトは、訪問者にとって使いやすくて見やすいサイトですか？

UXのチェックポイント

• ナビゲーションの直感性（ユーザーが求める情報に簡単にたどり着けるか）
• 情報アーキテクチャの論理性（情報が論理的に整理されているか）
• 視覚的階層の明確さ（重要な情報が視覚的に目立つ設計になっているか）
• アクセシビリティへの配慮（色のコントラスト、フォントサイズ、キーボードナビゲーションなど）
• フォーム設計の使いやすさ（必要最小限の入力項目、明確なエラーメッセージなど）
• ページ間の一貫性（デザイン、トーン、操作性の統一感）
• コンバージョンポイントへの明確な誘導

UX診断にはユーザーテスト、ヒートマップ分析、アナリティクスデータの詳細分析などがあります。実際のユーザー行動を観察・分析することで、設計者が気づかなかった問題点が浮き彫りになることがよくあります。

重要なのは「美しいデザイン」と「優れたUX」は必ずしも同じではないということです。見た目の華やかさよりも、ユーザーの目的達成に向けた行動をスムーズにサポートする機能性を優先しましょう。見やすくて、分かりやすくて、使いやすいかです。

Webサイト診断５｜セキュリティ対策の堅牢性

Webサイトのセキュリティはユーザーの信頼を獲得し維持するための基本条件です。2025年現在、サイバー攻撃の手法は日々高度化しており、セキュリティ対策の重要性はかつてないほど高まっています。

あなたのサイトはセキュリティリスクから適切に保護されていますか？

セキュリティ対策のチェックポイント

• SSL/TLS証明書の適切な実装（全ページでのHTTPS化）
• CMSやプラグインの最新バージョンへの更新状況
• 強固なパスワードポリシーの実施
• ファイアウォールの設置状況
• 定期的なマルウェアスキャンの実施
• バックアップ体制の整備
• アクセス権限の適切な管理
• フォームにおけるSQLインジェクション対策
• クロスサイトスクリプティング（XSS）対策

セキュリティ診断ツールにはCMSのプラグイン、レンタルサーバの提供ツールや設定の見直しが効果的です。自社でのチェックや対策が難しい場合はWebサイトの制作会社に相談してください。

セキュリティ対策に「やりすぎ」ということはありません。一度の侵害が企業の信頼を大きく損なう可能性があることを考えれば、予防的な投資は決して無駄ではありません。

実際にWebサイトが乗っ取られてしまったり、お問い合わせのリンク先を詐欺サイトに書き換えられてしまった、というご相談事例があります。

Webサイト診断６｜アクセス解析の設定と活用状況

データに基づく意思決定はWebサイト運営の基本です。適切なアクセス解析ツールの設定とデータの戦略的活用が、継続的かつ定量的な改善に欠かせません。

あなたのサイトは訪問者の行動データを効果的に収集し、活用できていますか？

アクセス解析の設定と活用状況チェックポイント

• Google Analytics 4の適切な設定（すべてのページでのトラッキングコード実装）
• コンバージョンの正確な計測設定
• イベントトラッキングの実装状況（ボタンクリック、動画視聴、スクロール深度など）
• Google Search Consoleとの連携
• 定期的なデータ分析の実施体制
• データに基づく改善サイクルの確立
• プライバシーポリシーとの整合性（Cookie通知など）

収集したデータから改善策を立案・実行・再検証できる仕組みを持っていますか？パートナーを得ていますか？

データを収集することがゴールではありません。データという「現状の結果」から洞察を得て、具体的な改善アクションを起こせるかどうかが重要です。

私の経験では多くの企業がアクセス解析ツールを導入していても、そのデータを十分に活用できているケースは限られます。あるクライアントでは、アクセス解析データの詳細分析を通じて、特定のページでのユーザー離脱が多いことが判明し、そのページの改善だけでコンバージョン率が31%向上しました。

アクセス解析データの活用は「何となく」「体感で」「個人的に」という主観や感覚を、データを基にして定量的かつ客観的にサイトを改善するための基盤です。定期的なレポーティングと分析のサイクルを確立し継続的に改善してください。

アクセス解析設定がしてあるかわからないという方は、Webサイト制作会社に問い合わせてください。施されていなければなるべく早く設定してもらってください。なぜなら「設定が施された日」からデータの蓄積が始まるからです。

BaseTreeが制作していないWebサイトでも「アクセス解析設定がしてあるか否か」「どんなツールが入っているか」は調査可能なので、ご不安でしたらご相談ください。

Webサイト診断７｜情報設計と導線の最適化

Webサイトの情報設計と導線設計はユーザーの迷いを減らし、目的の情報へとスムーズに案内し、結果としてコンバージョン率を高めます。

あなたのサイトは、訪問者を迷わせることなく、適切なゴールへと導いていますか？

情報設計と導線のチェックポイント

• サイト構造の論理性と直感性（ユーザーの思考に沿った構成になっているか）
• メインナビゲーションの分かりやすさ（項目名の明確さ、適切な数と順序）
• サブナビゲーションの適切な配置
• 検索機能の使いやすさと精度
• コンバージョンポイントへの明確な導線設計
• 関連コンテンツの適切な提示（内部リンク、関連記事など）
• ユーザーの現在位置が分かりやすいナビゲーション表示（パンくずリストなど）

情報設計の診断には、ユーザーフローの分析、タスク完了率の測定、ヒートマップ分析などが効果的です。これらの手法を通じて、ユーザーがどこで迷い、どこでつまずいているかを特定できます。

私が支援したあるBtoB企業のサイトでは、情報設計の見直しにより、問い合わせページへの到達率が2.3倍に向上し、結果として問い合わせ数も大幅に増加しました。特に効果があったのは、ユーザーの検索意図に基づいたコンテンツのグループ化と、明確なCTA（行動喚起）の配置でした。

情報設計は、サイトの「骨格」とも言える重要な要素です。ユーザーの目的と行動パターンを深く理解し、それに基づいた論理的な構造を構築することが、サイトの使いやすさを大きく向上させます。

Webサイト診断８｜ブランディングの一貫性

Webサイトは企業のブランドアイデンティティを表現する重要な媒体です。一貫したブランディングが訪問者に信頼感と専門性を印象づけ、記憶に残るサイトを作り上げます。

あなたのサイトは、企業の価値観やビジョンを一貫して表現できていますか？

ブランディングの一貫性チェックポイント

• ビジュアルアイデンティティの統一（ロゴ、カラースキーム、タイポグラフィ、画像スタイル）
• トーン・オブ・ボイスの一貫性（文章のスタイルや語調）
• 企業の理念・ビジョン・ミッションの明確な表現
• ターゲットオーディエンスに合わせたコンテンツの最適化
• 競合他社との差別化ポイントの明確な提示
• ブランドストーリーの効果的な伝達
• 各ページでのブランドメッセージの一貫性

ブランディングの一貫性は単に見た目の統一だけでなく、企業の価値観や独自の強みが、サイト全体を通じて一貫したメッセージとして伝わることが重要です。

ブランディングの診断では、社内の視点だけでなく、実際のユーザーがサイトからどのようなブランドイメージを受け取っているかを調査することも有効です。ユーザーインタビューやアンケートを通じて、意図したブランドメッセージが正確に伝わっているかを確認しましょう。

Webサイト診断９｜コンバージョン最適化の状況

Webサイトの成功はコンバージョン（目標達成）で測られます。訪問者を顧客や見込み客に変える仕組みが、効果的に機能しているかどうかが重要です。

あなたのサイトは、訪問者を効率的にコンバージョンに導いていますか？

コンバージョン最適化チェックポイント

• 明確なCTA（行動喚起）の配置と視認性
• フォームの使いやすさと必要最小限の入力項目
• 信頼性を高める要素の配置（実績、お客様の声、セキュリティ証明など）
• コンバージョンまでの導線の明確さと障害の有無
• モバイルでのコンバージョンプロセスの最適化
• A/Bテストの実施状況と結果の活用
• 離脱率の高いページの特定と改善

コンバージョン最適化は一度の改善で完了するものではなく、常にデータを分析し、仮説を立て、テストを繰り返すことで、少しずつコンバージョン率を向上させていく継続的な改善プロセスです。

Google Analytics 4やGoogle広告・Yahoo！広告などのコンバージョン計測ツールを活用して、ユーザーの行動を詳細に分析し、改善ポイントを特定しましょう。

Webサイト診断後の改善プロセス

サイト診断で問題点を特定したら、次は改善プロセスを実行します。闇雲に改善するのではなく、戦略的に取り組むことで、限られたリソースで最大の効果を得ることができます。

効果的なWebサイト改善プロセス

• 優先順位付け：影響度と実装の容易さに基づいて改善項目を整理
• 具体的な改善計画の策定：タイムライン、担当者、必要なリソースの明確化
• 段階的な実装：一度にすべてを変更するのではなく、計画的に段階的に実装
• 効果測定：改善前後のデータを比較し、効果を定量的に評価
• 継続的な最適化：結果に基づいてさらなる改善を繰り返す

「すべてを一度に完璧にする」という考え方ではなく、「継続的に少しずつ改善していく」というアプローチです。Webサイトは完成して終わりではなく、常に進化し続けるものだという認識が大切です。

私がクライアントと取り組む際には、まず「クイックウィン」（少ない労力で大きな効果が得られる改善）から着手し、初期の成功体験を作ることを重視しています。その成功体験が、より大きな改善への推進力となるからです。

また、改善プロセスでは社内の関係者を巻き込み共通認識を形成することも重要です。Webサイトは多くの場合、マーケティング、営業、カスタマーサポートなど、様々な部門に影響するため、全体最適の視点で改善を進めましょう。

まとめ｜定期的なWebサイト診断を

Webサイトは一度作って終わりではありません。ビジネス環境の変化、技術の進化、ユーザー行動の変化に合わせて、常に進化させていく必要があります。

この記事で紹介した9つのチェックポイントでWebサイトの現状を把握し、改善計画を立ててください。

私の10年間のWeb制作・改善の経験からWebサイトで集客や顧客獲得に成功している企業は、Webサイトを「完成品」ではなく「常に進化する経営資源」として捉えています。定期的なサイト診断と継続的な改善サイクルを確立することで、競合他社との差別化を図り、持続的な成長を実現しています。

あなたのビジネスの成長のために、まずは今日、サイト診断から始めてみませんか？

小さな改善の積み重ねがやがて大きな成果につながります。

最後に、サイト診断と改善は専門的な知識と経験が求められる領域です。自社での対応が難しい場合は、専門家のサポートを受けることも検討してみてください。プロの視点による客観的な診断と、効果的な改善提案が、あなたのWebサイトを次のレベルへと導くでしょう。

Webサイトを単なる情報発信ツールではなく、営業・採用・教育・承継に活用できる「情報資産」として構築し、継続的に価値を高めていきましょう。

詳細なWebサイト診断や改善についてのご相談は、BaseTreeのWebサイト制作サービスまでお気軽にお問い合わせください。