限られたリソースで成果を出す「SEO対策チーム」のつくり方

限られたリソースで成果を出す
「SEO対策チーム」のつくり方

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少人数でも、SEO対策で成果は出せる

「SEO対策に取り組みたいけど、人手が足りない…」

Webマーケティングに携わる方なら、一度はこんな悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。

特に中小企業やスタートアップでは、限られた人員でSEO対策を進めていくことが大きな課題となっています。

実は、少人数でもSEO対策で成果を出している企業は少なくありません。

10年間WEBディレクターとして多様なクライアントのウェブサイト制作・改善に携わってきた経験から言えるのは、SEO対策の成否を分けるのは「人数」ではなく「仕組み」です。

本記事では少人数チームでもSEO対策で成果を出すための7つの仕組みを解説します。

これからSEO対策に本格的に取り組みたい方、すでに取り組んでいるけれど成果が出ていない方に、具体的な運用体制の作り方をお伝えします。

なぜ少人数だと、SEO対策は難しいのか

SEO対策が難しいと感じる理由は何でしょうか?

  • 専門知識の壁:SEOには技術的な知識が必要で、アルゴリズムの変化にも対応する必要があります
  • リソース不足:コンテンツ制作、技術的対策、分析など多岐にわたる作業をこなす人員が足りません
  • 継続的な更新の難しさ:一度きりではなく、継続的な取り組みが必要なのに時間が確保できません
  • 優先順位の不明確さ:何から手をつければいいのか判断が難しく、効率的に進められません

少人数でSEO対策に取り組んでいる企業が直面する課題として、よく聞くのが「SEO対策の重要性は理解しているが日々の業務に追われて手が回らない」という声です。

特に中小企業は「マーケティング担当者がいない」もしくは「マーケティング担当者が1人で複数の業務を兼任している」ことが多く、SEO対策にかけられる時間は限られています。

少人数でもSEO対策で成果を出すためには「効率化」と「仕組み化」が最重要です。

1. 明確な目標設定と優先順位付け

すべてのキーワードやページに対して同時に対策を行うことはできません。そのため、明確な目標設定と優先順位付けが重要です。

具体的には以下のステップで進めます。

  • 事業目標との紐付け:SEO対策が事業目標に対してどのように貢献するのか明確にする
  • 重要キーワードの絞り込み:検索ボリュームと競合性、コンバージョン可能性を考慮して優先度の高いキーワードを選定
  • リソース配分の決定:どのページやキーワードから始めるか、集中するかを決める

あるクライアントは月間100記事の更新を目指していましたがリソース的に現実的ではありませんでした。そこでコンバージョンに直結する10個のキーワードに絞り込み、質の高いコンテンツを月5記事のペースで作成する戦略に切り替えました。

結果、6ヶ月後には主要キーワードで上位表示を達成し、問い合わせ数が3倍に増加しました。

リソースが限られる中では「すべてを完璧に」ではなく「重要なものを確実に」という考え方が重要です。

2. ツールを活用した効率化

限られたリソースでSEO対策を効率的に進めるためには、適切なツールの活用が欠かせません。

  • キーワード調査ツール:効率的にキーワードの検索ボリュームや競合性を分析できます
  • コンテンツ最適化ツール:記事の構成や内容の改善点を示唆してくれます
  • 分析・レポートツール:SEO対策の効果測定を自動化し、次のアクションを導き出せます
  • タスク管理ツール:チーム内の作業分担や進捗管理を効率化できます

キーワード分析に丸1日かけていた時間をツールの導入によって大幅に削減する、CMS(ウェブサイト構築システム)を活用して導入事例やセミナーなどのコンテンツを誰でも更新可能にするなど、効率的な体制を構築するために用途に応じたツールを導入しましょう。

3. 役割分担の明確化

少人数チームでは一人が複数の役割を担うことが多いものの、「SEO対策に必要な役割」に対して「役割分担」を決めておくことで効率的な

SEO対策が実行できます。

  • 戦略立案者:全体のSEO戦略を立案し方向性を決定
  • コンテンツクリエイター:SEO対策を意識した記事やページを作成
  • 技術担当者:サイトの内部構造や表示速度など技術的な対策を施す
  • 分析担当者:データを分析し改善点を洗い出す

現実的には1人で複数の役割を兼任することになりますが、「誰が何を担当するのか」を明確にしておくことで、責任の所在が明らかになり、作業の漏れを防ぐことができます。

私が支援したクライアントは、マーケティング担当者1名とエンジニア1名の2人体制でSEO対策に取り組んでいました。

マーケティング担当者は戦略立案とコンテンツ作成を担当し、エンジニアは技術的な対策と分析を担当するという明確な役割分担を行いました。

役割と担当を明確にすることで、お互いの専門性を活かしながら効率的に作業を進められ、3ヶ月で主要キーワードの検索順位が平均10位上昇するという成果を上げました。

「内部で更新は難しいから、”技術担当者”としてウェブサイト制作会社に外注する」のも立派な役割分担です。

4. テンプレート化とマニュアル整備

少人数でSEO対策を継続的に行うためには、作業のテンプレート化とマニュアルを整備しましょう。

作業のテンプレート化

  • コンテンツ制作テンプレート:記事構成やメタ情報の設定方法など
  • キーワード調査手順書:効率的にキーワードを選定するための手順
  • 内部SEO対策チェックリスト:技術的な対策項目の一覧
  • 分析レポートテンプレート:定期的な効果測定のためのフォーマット

テンプレート化とマニュアル整備のメリット

  • 作業の質にばらつきが出にくくなる
  • 新しいメンバーが加わった際の教育コストが下がる
  • 作業の漏れや抜けを防止できる
  • 作業時間の短縮につながる

私が支援したクライアントは「”コンテンツ制作”を目的別の12工程に分類して隙間時間で1つずつ進める」など、コンテンツ制作のテンプレートを整備したことで1記事あたりの作成時間が約30%短縮。品質のばらつきも抑えられたことで安定してSEO対策効果が出るようになりました。テンプレート化とマニュアル整備で品質を保ちながら効率的にSEO対策が実施できます。

5. 外部リソースの戦略的活用

少人数チームの限界を超えるためには、外部リソースを戦略的に活用することも重要です。

  • フリーランスライターの活用:コンテンツ制作を外部に委託
  • SEOコンサルタントの活用:専門的なアドバイスを得る
  • 制作会社との協業:技術的な対策を外部に委託
  • AI・自動化ツールの活用:単純作業を自動化

すべてを外部に任せるのではなく、「社内でやるべきこと」と「外部に任せるべきこと」を区別しましょう。

戦略立案や重要なコンテンツの作成、最終的な判断は社内で行い、定型的な作業や専門的な技術対応は外部リソースを活用するという棲み分けが一般的です。

私が支援したクライアントでは、コンテンツ制作の一部をフリーランスライターに委託し、技術的な対策は専門会社に依頼することで、社内のマーケティング担当者は戦略立案と進行管理に集中できるようになりました。結果、リソースの限界を超えた施策を実行することができ、半年で自然検索からの流入が2倍に増加しました。

中小企業だからこそSEO対策が必要であり、少人数でも成果をあげるためにSEO戦略が重要です。

6. PDCAサイクルの短期化

大規模な施策を一度に実行するのではなく、小さな施策を素早く実行して効果を検証し、改善していきましょう。

  • Plan(計画):小規模でも実行可能な施策を計画
  • Do(実行):素早く施策を実行
  • Check(評価):短期間で効果を測定
  • Act(改善):結果に基づいて次の施策を調整

このサイクルを1〜2週間単位で回し、コンテンツSEOを進めていきます。

私が支援したあるクライアントは、月に1回の大規模な分析と改善ではなく、週1回の小さな改善を繰り返す方式に変更しました。

具体的には「毎週1つのキーワードに絞って関連コンテンツを1記事作成し、その効果を翌週に測定して次のコンテンツに活かす」というサイクルを回しました。

この方法なら少ないリソースでも継続的に改善でき、3ヶ月で対象キーワードの検索順位が平均15位上昇するという成果を上げました。

7. 社内ナレッジの蓄積と共有

SEO対策を継続的に行うためには、社内でのナレッジ蓄積と共有の仕組みが重要です。

  • SEO対策の結果と学びの記録:何をやって、どんな結果が出たのかを記録
  • 成功事例・失敗事例のデータベース化:過去の経験を体系的に整理
  • 定期的な振り返りミーティング:チーム内で知見を共有
  • ナレッジ共有ツールの活用:情報を一元管理できる環境の整備

BaseTreeは「Webマーケティング × Notion」で情報循環を構築し、戦略・実行・内製化までマーケティングとマネジメントのすべてを一貫支援しています。情報管理ツールを活用して社内のナレッジを蓄積・共有することが、少人数チームでのSEO対策の継続的な改善につながります。

私が支援したクライアントは、Notionを活用したSEO対策の知見を蓄積するシステムを構築。キーワード調査の結果、コンテンツの構成案、実施した対策とその効果などを記録し、チーム内で共有できるようにしました。

この取り組みによって担当者が変わっても振り返りが可能になり、過去の施策と結果を活かした効率的なSEO対策を実行できる体制になりました。過去の成功事例を参考にすることで新しい施策の成功確率も高まりました。

中小企業向けの「SEO対策運用体制」構築ステップ

ここまで7つの仕組みを紹介してきましたが、実際にどのような手順で運用体制を構築していけばよいのでしょうか。

ステップ1:現状分析と目標設定

まずは現状を正確に把握し「達成したい目標」を明確にします。

  • 現状のSEO状況の分析:検索順位、流入数、コンバージョン率など
  • リソースの棚卸し:人員、予算、時間、スキルなど
  • 目標の設定:具体的な数値目標(KPI)の設定

目標設定は「3ヶ月後に主要キーワード10個の平均順位を20位から10位に上げる」など、具体的かつ測定可能な目標を設定します。

ステップ2:優先順位の決定と戦略立案

限られたリソースを最大限活かすため、優先順位を決めて戦略を立案します。

  • 重要キーワードの選定:検索ボリューム、競合性、コンバージョン可能性を考慮
  • 対策ページの優先順位付け:どのページから対策するか決定
  • 施策の優先順位付け:内部対策、コンテンツ対策、外部対策のどれを優先するか

「すべてを完璧に」ではなく「重要なものを確実に」という考え方です。

ステップ3:ツールと体制の整備

効率的にSEO対策を進めるためのツールと体制を整備します。

  • 必要なツールの選定と導入:キーワード調査、コンテンツ最適化、分析ツールなど
  • 役割分担の決定:誰が何を担当するかを明確に
  • 外部リソースの検討:必要に応じてフリーランスや制作会社との連携を検討

ツール選定は機能性だけでなく使いやすさも重視し、チーム全員が実使用できるものを選びましょう。

最初は無料版や最低プランから始め「現場で使える手応えを感じたらプランを上げる」という運用がおすすめです。

ステップ4:テンプレートとマニュアルの作成

効率的かつ品質を保ったSEO対策を行うためのテンプレートとマニュアルを整備します。

  • コンテンツ制作テンプレートの作成:記事構成、メタ情報設定など
  • 作業手順書の整備:キーワード調査、内部対策、分析などの手順
  • チェックリストの作成:公開前の確認項目など

テンプレートやマニュアルは、最初から完璧を目指すのではなく、使いながら改善していきます。

ステップ5:PDCAサイクルの確立

継続的な改善のためのPDCAサイクルを確立します。

  • 短期的な施策の計画と実行:1〜2週間単位の小さな施策
  • 効果測定の仕組み構築:定期的なレポーティングの仕組み
  • 振り返りと改善のプロセス確立:結果に基づいた次の施策の調整

PDCAサイクルは形骸化しないよう、実際に改善につながる仕組みにすることが重要です。

ステップ6:ナレッジ共有システム構築

チーム内のナレッジ共有を活性化する仕組みを構築します。

  • ナレッジベースの構築:情報を一元管理できる環境の整備
  • 定期的な共有会の設定:学びや気づきを共有する場の設定
  • 成功事例・失敗事例のデータベース化:経験を体系的に蓄積

ナレッジ共有は単なる情報の蓄積ではなく、実際に活用できる形で整理してください。

少人数チームだからこそ陥りがちな注意点と、SEO対策を成功させるポイント

最後に、少人数チームでSEO対策を成功させるための注意点をいくつか紹介します。

1. 完璧主義に陥らない

少人数チームでは、すべてを完璧にこなすことは現実的ではありません。重要なのは、「80点の施策を確実に実行する」という考え方です。

例えば、100記事の更新を目指すのではなく、重要な10記事を確実に高品質で作成するなど、現実的な目標設定が重要です。

2. 継続性を重視する

SEO対策は短期間で劇的な効果が出るものではなく、継続的な取り組みが重要です。そのため、一時的に頑張るのではなく、長期的に継続できる無理のない運用体制を構築することが大切です。

例えば、週1記事の更新を1年間続けるほうが、月10記事を3ヶ月だけ更新するよりも効果的です。

3. データに基づいた判断を行う

限られたリソースを最大限に活かすためには、感覚や思い込みではなく、データに基づいた判断が重要です。検索順位、アクセス数、コンバージョン率などの指標を定期的に測定し、効果的な施策に集中することが大切です。

例えば、どのキーワードやコンテンツが実際にコンバージョンにつながっているかを分析し、そこに注力するという判断ができます。

4. 外部の知見を積極的に取り入れる

少人数チームでは、すべての知識や経験を社内で持つことは難しいため、外部の知見を積極的に取り入れることが重要です。セミナーへの参加、専門書の購読、コンサルタントの活用など、外部からの学びを大切にしましょう。

例えば、月に1回はSEO関連のセミナーに参加する、四半期に1回はSEOコンサルタントのレビューを受けるなどの取り組みが効果的です。

5. 小さな成功を積み重ねる

大きな成果を一度に求めるのではなく、小さな成功を積み重ねていく姿勢が重要です。1つのキーワードで順位が上がった、1つのページのコンバージョン率が改善したなど、小さな成功を評価し、チームのモチベーションを維持しましょう。

例えば、月次のレポートでは「改善したポイント」を必ず取り上げ、チーム内で共有するという取り組みが効果的です。

限られたリソースでもSEO対策で成果を出せる

本記事では少人数チームがSEO対策で成果を出すための7つの仕組みを紹介しました。

  • 明確な目標設定と優先順位付け:限られたリソースを最大限に活かすための戦略的アプローチ
  • ツールを活用した効率化:少ない人数でも効率的に作業を進めるための武器
  • 役割分担の明確化:責任の所在を明らかにし、作業の漏れを防ぐ
  • テンプレート化とマニュアル整備:品質を保ちながら効率的に作業を進めるための基盤
  • 外部リソースの戦略的活用:社内リソースの限界を超えるための協業
  • PDCAサイクルの短期化:小さな施策を素早く実行して改善していくアプローチ
  • 社内ナレッジの蓄積と共有:経験を資産として活かすための仕組み

これらの仕組みを組み合わせれば、少人数チームでもSEO対策で成果を出すことは十分に可能です。

重要なのは「リソースが少ないから諦める」のではなく、「限られたリソースでどう工夫するか」という発想の転換です。

SEO対策は一朝一夕で成果が出るものではありません。

本記事で紹介した7つの仕組みを取り入れ、継続的に取り組み、1つずつ着実に成果を上げていってください。

BaseTreeは埼玉県・群馬県に特化したSEO対策サービスを提供しています。

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詳細は埼玉県・群馬県特化のSEO対策ページをご覧ください。

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