内部SEO対策で検索順位を上げる サイト構造最適化ガイド

内部SEO対策で検索順位を上げる
サイト構造最適化ガイド

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「サイト構造の最適化って何から始めればいいの?」
「内部SEO対策って具体的に何をするの?」
このような疑問を抱えている方は少なくありません。

検索エンジンの上位表示を目指すなら、サイト構造の最適化は避けて通れない施策です。
適切なサイト構造はユーザーの使いやすさを向上させるだけでなく、検索エンジンクローラーによるサイトの効率的巡回の助けになります。

WEBディレクターとして10年間多様なクライアントのウェブサイト制作・改善に携わってきた経験から言えるのは、サイト構造の最適化は見た目が変わらず地味ではありますが、スポーツにおける基礎練習のようにSEO対策全体に効く重要な施策だということです。

この記事ではサイト構造の最適化について基本から応用まで、実践的な方法を解説しますのでぜひ最後までお読みください。

目次

サイト構造とは?SEO対策における重要性

サイト構造とはウェブサイト全体の構成のことです。具体的にはサイト内の階層や内部リンク、コンテンツの構造を指します。

適切なサイト構造はユーザーが情報を探しやすくするだけでなく、検索エンジンクローラーによるサイト内のページ巡回の効率を上げ、インデックス(Googleに登録される・修正内容が理解される)を助けます。適切なサイト構造の結果、検索エンジンがサイト内容を正確に理解し適切な検索結果に表示できるようになる、つまり自分たちにとってもメリットがあります。

サイト構造の最適化は以下の理由からSEOにおいて非常に重要です。

  • クローラビリティの向上:検索エンジンのクローラーがサイト内のページを効率的に発見できるようになります
  • ページの重要度の伝達:サイト構造によって、どのページが重要かを検索エンジンに伝えることができます
  • ユーザー体験の向上:ユーザーが求める情報に素早くアクセスできるようになり、滞在時間や回遊率が向上します
  • 内部リンクの最適化:適切なサイト構造は、自然な内部リンクの構築につながります

サイト構造を最適化することで、検索エンジンとユーザーの両方に評価されるサイトが構築できます。

サイト構造の基本要素と設計原則

サイト構造を設計するにはいくつかの基本要素と原則を理解する必要があります。ここではサイト構造の主要な構成要素と、それを最適化するための設計原則を解説します。

ディレクトリとは

サイト構造を考える上で欠かせない要素が「ディレクトリ」です。ディレクトリとはウェブサイトを構成するファイルを保管する「フォルダ」のようなもので、サイトの階層に合わせて配置されます。

例えば会社のウェブサイトであれば、「サービス」「会社概要」「お問い合わせ」などの大カテゴリごとにディレクトリを作成し、その中に関連するページのファイルを格納します。この意味を持ったまとまりのある収納方法、つまり最適なディレクトリ構造が、ユーザーと検索エンジンの両方にとって理解しやすい構造になり、内容が整理され分かりやすいサイトと評価されます。

階層構造の設計

サイトの階層構造はフォルダ分けのように、通常ツリー状で構成されます。トップページを第1階層とし、大カテゴリを第2階層、中カテゴリを第3階層というように設計します。

分かりやすい階層構造の設計原則は以下の通りです。

  • 浅く広い構造を目指す:深い階層よりも、浅く広い構造の方がユーザーと検索エンジンの両方にとって好ましい
  • クリック数を最小限に:ユーザーが求める情報に3クリック以内でたどり着けるようにする
  • 論理的なカテゴリ分け:コンテンツを論理的にグループ化し、ユーザーが直感的に理解できるようにする(類推でき、合致する)
  • 一貫性のある命名規則:ディレクトリ名やURLは一貫性を持たせ、内容を反映したページにする

階層が深すぎると深層にあるコンテンツにたどり着きにくくなり、ユーザビリティやクローラビリティを低下させてしまいます。Googleも「わかりやすい階層を作成する」ことを推奨しています。

URLの最適化

URLはサイト構造を反映するものであり、SEOにおいても重要な要素です。最適なURLの設計原則は以下の通りです。

  • 短くシンプルに:短いURLの方が共有しやすく、ユーザーにも検索エンジンにも理解されやすい
  • キーワードを含める:URLにターゲットキーワードを含めることで、検索エンジンに内容を伝えやすくなる
  • 読みやすさを重視:URLは人間が読んで理解できるものにする
  • ハイフンを使用する:単語の区切りにはハイフン(-)を使用する(”_”アンダースコアではなく)
  • パラメータを最小限に:複雑なパラメータは避けシンプルな静的URLが望ましい

例えば「https://example.com/services/web-design」というURLは「サービス」カテゴリの「ウェブデザイン」ページであることが一目で類推できます。このようにURLからページの内容や階層が理解できるようにすることが重要です。

SEO対策における「サイト構造」の設計手順

サイト構造を最適化するための具体的な手順を解説します。既存サイトの改善でも、新規サイトの設計でも応用できる内容です。
「論理的に」と度々記載しますが、論理的にとは「あるルールに則って規則性がある」ということ。サービスは必ず「/service」を親にしなければならない、という決まりはありません。サイト全体を通して一貫性があり、ディレクトリ名と内容に齟齬がなく、なおかつそれが検索エンジンにもユーザーにも分かりやすいことが重要です。
サイト構造とは言い換えれば「どのように情報を区切って整理するか」であり、サイト構造設計の段階から既にSEO対策は始まっています。

ステップ1:コンテンツの棚卸しと分類

まずサイトに含めるべきコンテンツを洗い出し論理的に分類します。既存サイトの場合は、現在のコンテンツを棚卸ししてどのように再構成するかを検討します。

  • すべてのページをリストアップする
  • コンテンツの目的や対象ユーザーを明確にする
  • 関連性のあるコンテンツをグループ化する
  • 各コンテンツの重要度を評価する

この段階で不要なコンテンツの削除や統合も検討します。コンテンツが多すぎると構造が複雑になり、ユーザーと検索エンジンの両方にとって理解しにくくなります。

ステップ2:論理的な階層構造の設計

コンテンツの分類に基づいて論理的な階層構造を設計します。

  • トップページ(第1階層)を起点とする
  • 主要カテゴリ(第2階層)を設定する
  • サブカテゴリ(第3階層)を必要に応じて設定する
  • 個別ページ(第4階層以降)を配置する

階層は浅く保ち、ユーザーが求める情報に素早くアクセスできるようにします。理想はどのページもトップページから3クリック以内でアクセスできる構造を目指します。

ステップ3:サイトマップの作成

設計した階層構造をビジュアル化するためにサイトマップを作成します。サイトマップは、サイトの全体像を把握するのに役立ちます。

  • 各ページの階層関係を明確に示す
  • ページ間のリンク関係を視覚化する
  • 各ページのURLを計画する
  • 重要なページが適切な位置にあるか確認する

サイトマップは開発チームやクライアントとのコミュニケーションツールとしても役立ちます。また実装前に構造の問題点を発見し、修正することができます。

ステップ4:ナビゲーション設計

ユーザーがサイト内を迷わず移動できるよう直感的なナビゲーションを設計します。

  • グローバルナビゲーション:全ページに表示される主要カテゴリへのリンク
  • ローカルナビゲーション:現在のセクション内のページへのリンク
  • パンくずリスト:現在地を示し、上位階層へ戻れるようにするリンク
  • フッターナビゲーション:補助的なリンクを提供
  • サイト内検索:ユーザーが直接目的のコンテンツを検索できる機能

ナビゲーションは一貫性を持たせ、すべてのページから重要なページにアクセスできるようにします。特にコンバージョンにつながるページ(お問い合わせページなど)へのアクセスを容易にすることが重要です。

内部リンク構造の最適化

内部リンクはサイト構造の重要な要素であり、SEOに大きな影響を与えます。適切な内部リンク構造を構築することで、ユーザーの回遊性を高め、検索エンジンのクローラーがサイト内のページを効率的に巡回できるようになります。

内部リンクの重要性

内部リンクには以下のような重要な役割があります。

  • ページ間の関連性を示す:関連コンテンツ同士をリンクすることで、コンテンツの文脈を強化します
  • リンクジュースの分配:重要なページに多くの内部リンクを向けることで、そのページの重要度を高めます
  • クローラーの誘導:検索エンジンのクローラーがサイト内のすべてのページを発見できるようにします
  • ユーザーの回遊促進:関連コンテンツへのリンクにより、ユーザーの滞在時間と回遊率を向上させます

効果的な内部リンク戦略

効果的な内部リンク構造を構築するための戦略を紹介します。

  • 階層型リンク:上位ページから下位ページへ、下位ページから上位ページへリンクを設置します
  • サイロ構造:関連性の高いコンテンツ同士をグループ化し、そのグループ内でリンクを強化します
  • コンテキストリンク:本文中の自然な文脈でリンクを設置します
  • 関連コンテンツリンク:「関連記事」「おすすめ記事」などのセクションを設けます
  • ハブページの活用:特定のトピックに関する複数のコンテンツをまとめたページを作成します

この戦略を組み合わせることで、ユーザーと検索エンジンの両方にとって価値のある内部リンク構造を構築できます。

アンカーテキストの最適化

内部リンクのアンカーテキスト(リンクテキスト)も重要な要素です。アンカーテキストは、リンク先のページの内容を示すものであり、SEOにも影響します。

  • 説明的なアンカーテキスト:リンク先の内容を適切に説明するテキストを使用します
  • キーワードの適切な使用:ターゲットキーワードを含めることで、そのキーワードでの評価を高めます
  • 多様性の確保:同じページに対して常に同じアンカーテキストを使うのではなく、自然な多様性を持たせます
  • 過剰最適化の回避:キーワードを詰め込みすぎると、スパムと見なされる可能性があります

例えば「詳細はこちら」よりも「ウェブデザインサービスの詳細」のような具体的なアンカーテキストの方が、ユーザーと検索エンジンの両方にとって有益です。

モバイルフレンドリーなサイト構造

2025年現在、モバイルデバイスからのアクセスが大半を占める状況では、モバイルフレンドリーなサイト構造が不可欠です。Googleもモバイルファーストインデックスを採用しており、モバイル対応はSEO対策の基本要件となっています。

レスポンシブデザインの重要性

レスポンシブデザインはデバイスの画面サイズに応じてレイアウトが自動調整される設計手法です。モバイルフレンドリーなサイト構造を実現するための基本です。

  • 一貫したユーザー体験:デバイスに関わらず同じコンテンツと機能を提供します
  • 管理の効率化:1つのサイトで複数のデバイスに対応できるため、管理が容易です
  • SEOの強化:Googleが推奨する方法であり、SEO評価にプラスとなります

レスポンシブデザインでは、メニューの表示方法やコンテンツの配置などをモバイルユーザーの使いやすさを考慮して設計することが重要です。

モバイル向けナビゲーションの最適化

モバイルデバイスでは画面が小さいため、ナビゲーションの設計が特に重要になります。

  • ハンバーガーメニュー:スペースを節約しつつ、必要な時に展開できるメニュー
  • タップしやすいサイズ:リンクやボタンは指でタップしやすいサイズ(最低44×44ピクセル)にする
  • スクロールの最小化:重要な情報や機能はスクロールせずに見えるようにする
  • シンプルな階層:モバイルではより単純な階層構造が好まれる

モバイルユーザーは通常、デスクトップユーザーよりも具体的な目的を持ってサイトを訪れます。そのため主要な機能や情報に素早くアクセスできるようにすることが重要です。

ページ速度の最適化

モバイルユーザーにとってページの読み込み速度は特に重要です。遅いサイトはユーザー離脱の原因となり、SEO評価にも悪影響を与えます。

  • 画像の最適化:適切なサイズと圧縮で画像を軽量化する
  • コードの最小化:不要なコードを削除し、CSSやJavaScriptを最小化する
  • ブラウザキャッシュの活用:再訪問時の読み込みを高速化する
  • CDNの利用:コンテンツ配信ネットワークでグローバルな高速化を実現する

Googleのコアウェブバイタルではページ速度を含むユーザー体験の指標がランキング要因となっています。特にECサイトやBto Cの事業サイトは、モバイルにおける速度の最適化が重要なポイントです。

サイト構造のSEO効果を高める技術的対策

サイト構造の最適化には技術的な側面からのアプローチも重要です。ここではSEO効果を高めるための技術的対策を解説します。

XMLサイトマップの活用

XMLサイトマップは、サイト内のページ一覧を検索エンジンに提供するファイルです。特に大規模サイトや新しいサイトでは、クローラーがページを発見するのを助ける重要なツールとなります。

  • すべての重要ページを含める:インデックスしてほしいページをすべて含めます
  • 階層構造を反映する:サイトの階層構造をサイトマップにも反映させます
  • 定期的な更新:新しいページの追加や変更があれば、サイトマップも更新します
  • Google Search Consoleに登録:作成したサイトマップをGoogleに提出します

XMLサイトマップは、検索エンジンがサイトを理解するための補助的なツールです。適切なサイト構造と内部リンクがあれば、サイトマップがなくてもクローラーはページを発見できますが、サイトマップを提供することでインデックスの効率が向上します。

robots.txtの最適化

robots.txtファイルは、検索エンジンのクローラーに対して、サイトのどの部分をクロールしてよいか、どの部分をクロールしないでほしいかを指示するファイルです。

  • クロール効率の向上:重要でないページをクロール対象から除外し、重要なページに検索エンジンのリソースを集中させます
  • 重複コンテンツの防止:同じ内容が異なるURLで表示される場合、一方をクロール対象から除外します
  • プライバシー保護:非公開にしたいセクションをクロール対象から除外します
  • サイトマップの指定:robots.txtファイル内でXMLサイトマップの場所を指定できます

robots.txtファイルはサイトのルートディレクトリに配置します。設定を誤ると重要なページがインデックスされなくなる可能性があるため、慎重に設定してください。

構造化データの実装

構造化データ(Schema.org)は、ページの内容を検索エンジンに明確に伝えるためのマークアップです。検索結果でリッチスニペット(強調表示)表示される可能性が高まります。

  • コンテンツタイプの明示:記事、製品、レビュー、イベントなど、コンテンツの種類を明示します
  • 詳細情報の提供:価格、在庫状況、評価、日時など、詳細情報を構造化して提供します
  • ブランド情報の強化:組織や個人に関する情報を構造化して提供します
  • ナビゲーション情報の強化:パンくずリストを構造化データでマークアップします

構造化データはJSON-LD形式での実装が推奨されています。Google Search Consoleの「リッチリザルト」レポートで、構造化データの実装状況と問題点を確認できます。

サイト構造の定期的な評価と改善

サイト構造は一度設計して終わりではなく、定期的に評価し改善していく必要があります。ここではサイト構造の評価方法と改善プロセスを解説します。

分析ツールを活用した評価

サイト構造の効果を評価するには、様々な分析ツールを活用します。

  • Google Analytics:ユーザーの行動パターン、滞在時間、離脱率などを分析します
  • Google Search Console:クロール状況、インデックス状況、検索パフォーマンスを確認します
  • ヒートマップツール:ユーザーのクリック、スクロール、マウス移動のパターンを可視化します
  • サイト監査ツール:技術的な問題点を自動的に検出します

ツールを組み合わせることでサイト構造の強みと弱みを特定し、改善点が見つかります。

ユーザーフィードバックの収集

分析ツールだけでなく、実際のユーザーからのフィードバックも重要な評価材料です。

  • ユーザーテスト:実際のユーザーにタスクを実行してもらい、問題点を特定します
  • アンケート調査:サイト訪問者に使いやすさや満足度を尋ねます
  • カスタマーサポートの情報:よくある質問や問い合わせから、サイトの問題点を把握します
  • コメントやSNSの反応:ユーザーの自発的なフィードバックを収集します

ユーザーフィードバックは分析ツールでは見つけにくい問題点や改善機会を発見するのに役立ちます。

継続的な改善プロセス

サイト構造の改善は継続的なプロセスとして取り組むことが重要です。

  • 定期的な監査:3〜6ヶ月ごとにサイト構造を総合的に評価します
  • 段階的な改善:大きな変更よりも、小さな改善を継続的に行います
  • A/Bテスト:変更の効果を検証するために、異なるバージョンを比較テストします
  • 競合分析:競合サイトの構造や変更を定期的にチェックし、業界のベストプラクティスを把握します

ユーザー体験とSEOの両方の観点から評価し、バランスの取れた最適化を目指します。大きな変更を行う場合は、301リダイレクトなどを適切に設定し、SEO評価の引き継ぎに配慮することが重要です。

サイト構造最適化とは、SEO対策に強い骨格をつくること

サイト構造の最適化はSEOとユーザー体験の両方を向上させる重要な施策です。この記事で解説したサイト構造最適化の内容をまとめます。

  • ユーザーと検索エンジンの両方を考慮した設計:論理的で直感的な構造を目指す
  • 浅く広い階層構造:深い階層よりも、浅く広い構造の方が効果的
  • 明確なカテゴリ分け:コンテンツを論理的にグループ化し、関連性を強化
  • 戦略的な内部リンク:重要なページへのリンクを強化し、関連コンテンツ同士をつなぐ
  • 説明的なURL:内容を反映した短く読みやすいURLを使用
  • モバイルフレンドリー:すべてのデバイスで最適な体験を提供
  • 技術的な最適化:XMLサイトマップ、robots.txt、構造化データを適切に実装
  • 継続的な評価と改善:データに基づいて定期的に構造を見直し、改善する

サイト構造の最適化は一度で完了するものではなく継続的なプロセスです。ユーザーのニーズや検索エンジンのアルゴリズムの変化に合わせて常に進化させていくことが重要です。

適切なサイト構造はユーザーにとっては使いやすさの向上、事業者にとっては集客とコンバージョンの増加、そして検索エンジンにとっては効率的なクロールとインデックスを意味します。これらすべての要素がバランス良く機能することで、持続的なSEO効果を生み出すことができるのです。

サイト構造の最適化に取り組む際は、この記事で紹介した原則と手法を参考にしながら、自社サイトの特性や目標に合わせたアプローチを検討してください。そして変更後の効果を測定し継続的に改善していくことで、SEO対策による成果を長期的に得られるでしょう。

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