なぜ突然検索順位が下がるのか?SEO担当者は知っておきたい検索順位下落によるデメリット
「いつものようにキーワード順位をチェックすると、先週まで上位表示されていたブログ記事が圏外に飛ばされていた—」
こんな経験をしたことはありませんか?
検索順位の下落は、Webサイト運営者にとって死活問題です。特に集客の多くを検索流入に依存している場合、順位低下は直接的な売上減少につながります。
WEBディレクターとして10年間、様々なクライアントのウェブサイト制作・改善に携わってきた経験から言えるのは、検索順位の下落には原因があるということです。
今回は検索順位が下がるブログ記事の特徴と、その改善方法について解説します。SEO対策に悩む方の参考になれば幸いです。
検索順位が下がる3つのパターンと原因
検索順位の低下には、大きく分けて3つのパターンがあります。まずはどのパターンに当てはまるのかを確認することで、効果的な対策を講じることができます。

①Googleアルゴリズムの変更による影響
検索エンジンは常に最適なユーザー体験を提供するために、アルゴリズムの更新を行っています。特に大規模な更新である「コアアップデート」が実施されると、多くのサイトで順位変動が発生します。
コアアップデートは年に数回実施され、検索結果の品質向上を目的としています。このアップデートによって、これまで評価されていた要素の重要度が変わることがあります。
アルゴリズム変更による順位低下の特徴は、サイト全体で一斉に順位変動が起こることです。特定のページだけでなく、複数のキーワードやページで同時に順位変動が見られる場合は、アルゴリズム変更の影響を疑いましょう。
②自社サイトの問題による影響
検索順位低下の2つ目のパターンは、自社サイト自体に問題がある場合です。具体的には以下のような要因が考えられます:
- コンテンツの質の低下
- 過剰なSEO対策(キーワードの詰め込みなど)
- 類似コンテンツの重複(カニバリゼーション)
- 技術的な問題(ページ表示速度の低下など)
- 低品質ページの増加
自社サイトが原因の場合は、特定のページやキーワードのみ順位が下がることが多いです。サイト全体ではなく一部のコンテンツだけに影響が出ている場合は、そのページの品質や技術的な問題を確認する必要があります。
③競合サイトの強化による相対的な順位低下
3つ目のパターンは、自社サイトには特に問題がないものの、競合サイトのSEO対策が強化されたことによる相対的な順位低下です。
検索順位は相対的な評価であるため、自社サイトが変わらなくても、競合サイトが改善されれば順位は下がります。特に競争の激しいキーワードでは、常に競合分析が欠かせません。
どのパターンに当てはまるかによって、取るべき対策は大きく異なります。まずは冷静に状況を分析し、原因を特定することが重要です。
検索順位を下げる7つのブログ記事の特徴
ここからは、検索順位を下げる可能性が高いブログ記事の特徴を7つ紹介します。自社のコンテンツに当てはまる項目がないか、チェックしてみてください。

①薄いコンテンツ(Thin Content)
「薄いコンテンツ」とは、ユーザーに十分な価値を提供していないコンテンツのことです。具体的には以下のような特徴があります。
- 文字数が極端に少ない(500字以下など)
- 内容が表面的で深掘りされていない
- ユーザーの疑問や悩みに答えていない
- 他サイトの内容をほぼそのまま転載している
Googleは「ヘルプフルコンテンツアップデート」を通じて、ユーザーに役立つ高品質なコンテンツを評価する姿勢を明確にしています。薄いコンテンツは、このアップデートの影響を受けやすいでしょう。
②キーワードの過剰な詰め込み
かつてのSEO対策では、ターゲットキーワードを多く含めることが有効でした。しかし現在のGoogleアルゴリズムでは、不自然なキーワードの詰め込みはむしろマイナス評価となります。
- 同じキーワードが不自然に繰り返し使われている
- 文脈に関係なくキーワードが挿入されている
- キーワードを詰め込むあまり、文章が読みにくくなっている
- メタタグにも同じキーワードが過剰に使用されている
自然な文脈でキーワードを使用し、読者にとって価値のある情報を提供することが重要です。
③ユーザー体験(UX)の悪さ
Googleは「コアウェブバイタル」という指標を導入し、ユーザー体験を重視する姿勢を明確にしています。以下のような問題があると、検索順位に悪影響を及ぼす可能性があります。
- ページの表示速度が遅い(LCP:Largest Contentful Paint)
- ユーザーの操作に対する反応が遅い(FID:First Input Delay)
- ページ読み込み中にレイアウトが移動する(CLS:Cumulative Layout Shift)
- モバイル表示に最適化されていない
- 広告が多すぎてコンテンツが読みにくい
特にモバイルでの表示速度とユーザビリティは、現在のSEOにおいて非常に重要な要素です。
④古い情報や誤った情報の掲載
情報の鮮度や正確性も、検索順位に大きく影響します。以下のような問題があるコンテンツは、順位が下がりやすいでしょう。
- 数年前の古い情報がそのまま掲載されている
- 事実と異なる情報が含まれている
- 最新の法律や規制に対応していない
- リンク切れや古いリソースへの参照がある
特に「Your Money or Your Life(YMYL)」と呼ばれる、ユーザーの生活や財産に影響を与える可能性のある分野(健康、金融、法律など)では、情報の正確性がより厳しく評価されます。
⑤E-E-A-Tの欠如
Googleは「E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness:経験、専門性、権威性、信頼性)」を品質評価の重要な指標としています。以下のような問題があると、E-E-A-Tが低いと判断される可能性があります。
- 著者情報が明記されていない
- 専門的な内容なのに、執筆者の専門性が示されていない
- 情報源や参考文献が示されていない
- 主観的な意見と客観的な事実が混同されている
- 実体験に基づく情報が乏しい
特にYMYL分野では、E-E-A-Tの重要性がより高まります。専門家による監修や、信頼できる情報源の引用を積極的に行いましょう。
⑥内部リンク構造の問題
サイト内の内部リンク構造も、検索順位に影響を与える重要な要素です。以下のような問題があると、クローラビリティ(検索エンジンがサイトを巡回する際の効率性)が低下し、順位に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 関連コンテンツへの内部リンクが少ない
- リンク切れが多い
- サイト構造が複雑すぎて、重要なページへのクリック数が多い
- カテゴリやタグの設計が不適切
適切な内部リンク構造は、ユーザーの回遊性を高めるだけでなく、検索エンジンにサイトの構造を理解させる助けにもなります。
⑦検索意図とのミスマッチ
最後に、最も重要な要素の一つが「検索意図とのマッチング」です。ユーザーがあるキーワードで検索する際の意図(情報を知りたい、商品を購入したい、特定のサイトに行きたいなど)と、コンテンツの内容が合致していないと、順位は下がりやすくなります。
例えば「〇〇とは」というキーワードで検索しているユーザーは基本的な情報を求めていますが、専門的すぎる内容や商品の宣伝ばかりのコンテンツでは、検索意図とミスマッチが生じます。
検索上位のコンテンツを分析し、ユーザーが求めている情報の種類や深さを理解することが重要です。
検索順位が下がったときの原因特定方法
検索順位が下がった場合、まずは冷静に原因を特定することが重要です。以下の手順で原因を分析しましょう。
①Google Search Consoleで確認する
Google Search Consoleは、検索順位の変動を確認するための最も基本的なツールです。以下の項目をチェックしましょう。
- 「パフォーマンス」レポートで、クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位の推移を確認
- 「カバレッジ」レポートで、インデックスの問題がないか確認
- 「モバイルユーザビリティ」で、モバイル対応の問題がないか確認
- 「ウェブに関する主な指標」で、コアウェブバイタルの状況を確認
- 「手動による対策」で、ペナルティを受けていないか確認
特に、順位が下がり始めた時期と、Googleのアルゴリズムアップデートのタイミングが一致しているかどうかを確認することが重要です。
②サイト内の変更点を確認する
順位が下がり始めた時期に、サイトに何か変更を加えていないか確認しましょう。
- デザインやレイアウトの変更
- CMS(コンテンツ管理システム)のアップデート
- URLやサイト構造の変更
- メタタグやヘッダーの変更
- 新しいプラグインの導入
これらの変更が順位低下のきっかけになっている可能性があります。
③競合サイトの状況を確認する
自社サイトに問題がない場合は、競合サイトの状況を確認しましょう。
- 検索結果で上位に表示されている競合サイトのコンテンツを分析
- 競合サイトの更新頻度や内容の質をチェック
- 競合サイトのバックリンク(外部リンク)の状況を確認
競合サイトが積極的にコンテンツを充実させている場合、相対的に自社サイトの評価が下がっている可能性があります。
④技術的な問題を確認する
サイトの技術的な問題も、検索順位に大きく影響します。
- ページ表示速度の低下(PageSpeed Insightsで確認)
- モバイル対応の問題
- HTTPS化の問題
- robots.txtやnoindexタグの誤設定
- サーバーのダウンタイムや応答速度の低下
特にページ表示速度は、コアウェブバイタルの重要な要素であり、定期的にチェックする必要があります。
検索順位を回復させるための7つの改善策
原因が特定できたら、次は具体的な改善策を実施しましょう。以下に、検索順位を回復させるための7つの改善策を紹介します。

①コンテンツの質と量を向上させる
「薄いコンテンツ」が問題の場合は、以下の改善を行いましょう。
- 文字数を増やし、トピックを深掘りする(2,000字以上を目安に)
- ユーザーの疑問や悩みに具体的に答える内容を追加
- 最新の情報や統計データを盛り込む
- 実体験や具体例を追加して説得力を高める
- 画像やグラフなどの視覚的要素を追加
ただし、単に文字数を増やせばいいわけではありません。ユーザーにとって価値のある情報を提供することが最も重要です。
②キーワード最適化を見直す
キーワードの過剰な詰め込みが問題の場合は、以下の改善を行いましょう。
- 不自然なキーワードの繰り返しを削除
- 自然な文脈でキーワードを使用
- 関連キーワードや類義語を適切に配置
- メタタイトルとメタディスクリプションを最適化
- 見出し(H1, H2, H3)にキーワードを自然に組み込む
現代のSEOでは、キーワードの出現頻度よりも、文脈の中で適切に使用されているかどうかが重要です。
③ユーザー体験(UX)を改善する
ユーザー体験の問題が検索順位低下の原因の場合は、以下の改善を行いましょう。
- ページ表示速度の改善(画像の最適化、不要なスクリプトの削除など)
- モバイル表示の最適化
- コアウェブバイタル(LCP、FID、CLS)の改善
- 読みやすいレイアウトとフォントサイズの採用
- 広告の配置や量の見直し
Google PageSpeed Insightsなどのツールを活用して、具体的な改善点を特定しましょう。
④情報を最新かつ正確に更新する
古い情報や誤った情報が問題の場合は、以下の改善を行いましょう。
- 定期的にコンテンツを見直し、古い情報を更新
- 最新の統計データや研究結果を追加
- リンク切れを修正し、最新のリソースにリンク
- 法律や規制の変更に合わせてコンテンツを更新
- 更新日を明記して、情報の鮮度をアピール
特に「〇〇年最新」などのタイトルを使用している場合は、定期的な更新が不可欠です。
⑤E-E-A-Tを強化する
E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を強化するには、以下の改善を行いましょう。
- 著者情報を明記し、専門性や経験をアピール
- 情報源や参考文献を明示
- 専門家による監修を取り入れる
- 実体験に基づく情報を追加
- 客観的な事実と主観的な意見を明確に区別
E-E-A-Tの強化は、特にYMYL(Your Money or Your Life)分野のコンテンツで重要です。
⑥内部リンク構造を最適化する
内部リンク構造の問題を改善するには、以下の対策を行いましょう。
- 関連コンテンツへの内部リンクを増やす
- リンク切れを修正
- サイト構造をシンプルにし、重要なページへのクリック数を減らす
- カテゴリやタグの設計を見直す
- パンくずリストを導入
適切な内部リンク構造は、ユーザーの回遊性を高めるだけでなく、検索エンジンにサイトの構造を理解させる助けになります。
⑦検索意図に合わせたコンテンツに修正する
検索意図とのミスマッチが問題の場合は、以下の改善を行いましょう。
- 検索上位のコンテンツを分析し、ユーザーが求めている情報の種類や深さを理解
- 情報探索型、取引型、ナビゲーション型など、検索意図のタイプに合わせてコンテンツを調整
- ユーザーの疑問に直接答える形式(Q&A形式など)を取り入れる
- 初心者向け、中級者向け、上級者向けなど、ターゲットの知識レベルに合わせた内容に調整
検索意図に合ったコンテンツを提供することは、現代のSEOにおいて最も重要な要素の一つです。
検索順位低下を未然に防ぐための日常的なチェックポイント
検索順位の低下を未然に防ぐためには、日常的なチェックと対策が重要です。以下のポイントを定期的に確認しましょう。

①定期的なコンテンツ監査
3〜6ヶ月に一度、サイト全体のコンテンツを監査し、以下の点をチェックしましょう。
- 古くなったコンテンツの特定と更新
- パフォーマンスの低いページの特定と改善
- 重複コンテンツの統合または削除
- リンク切れの修正
- 低品質コンテンツの改善または削除(noindexの検討)
コンテンツ監査を通じて、サイト全体の品質を維持・向上させることができます。
②検索順位とトラフィックの定期的なモニタリング
検索順位とトラフィックを定期的にモニタリングし、異常を早期に発見しましょう。
- 主要キーワードの検索順位を週1回チェック
- Google Search Consoleで検索パフォーマンスを週1回確認
- Google Analyticsでトラフィックの推移を確認
- 順位変動の大きいキーワードを特定し、原因を分析
早期に異常を発見できれば、大きな順位低下を防ぐことができます。
③Googleアルゴリズムの動向チェック
Googleのアルゴリズム更新に関する情報を定期的にチェックしましょう。
- Google公式ブログやSearch Central Blogをフォロー
- SEO関連のニュースサイトやフォーラムをチェック
- アルゴリズム更新のカレンダーを把握
- 過去のアップデートの傾向を分析
アルゴリズムの動向を把握しておくことで、事前に対策を講じることができます。
④競合分析の定期実施
競合サイトの動向を定期的にチェックし、自社サイトの位置づけを把握しましょう。
- 検索上位の競合サイトのコンテンツ戦略を分析
- 競合サイトの更新頻度やコンテンツの質をチェック
- 競合サイトのバックリンク状況を確認
- 新規参入の競合サイトをモニタリング
競合分析を通じて、市場の動向や自社サイトの強み・弱みを把握することができます。
⑤技術的なSEO要素の定期チェック
サイトの技術的な健全性を定期的にチェックしましょう。
- ページ表示速度の測定(PageSpeed Insights)
- モバイルフレンドリーテスト
- コアウェブバイタルのチェック
- robots.txtやサイトマップの確認
- 構造化データの実装状況の確認
技術的なSEO要素は、検索順位に大きく影響します。定期的なチェックと改善を心がけましょう。
ピンチはチャンス!検索順位低下を改善チャンスに変え、よりGoogleアップデートに強いSEO対策を
検索順位の低下は、発生して欲しくないネガティブな出来事ではありますが、サイトを改善するための絶好のチャンスでもあります。
本記事で紹介した「検索順位が下がるブログ記事の特徴」と「改善策」を参考に、自社サイトの問題点を特定し、改善を進めてください。
重要なのは、一時的な対策ではなく、長期的な視点でユーザーに価値を提供し続けることです。検索エンジンのアルゴリズムは常に進化していますが、その根底にあるのは「ユーザーに最適な情報を提供する」という理念です。
この理念に沿ったコンテンツ作りを心がければ、アルゴリズムの変更にも柔軟に対応できるでしょう。
最後に、SEO対策は一朝一夕で結果が出るものではありません。継続的な改善と分析を繰り返し、少しずつサイトの質を高めていくことが重要です。
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