Webサイト制作の成否を分けるデザインコンセプト策定とは?

Webサイト制作の成否を分けるデザインコンセプト策定とは?

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Webサイト制作におけるデザインコンセプトの重要性

「なぜうちのWebサイトは成果に結びつかないのだろう?」

こんな疑問を抱えている経営者や担当者の方は少なくありません。

実は多くの場合「デザインコンセプト」に問題があります。

デザインコンセプトとは、単なる見た目の方向性ではなく、Webサイト全体の骨格となる「伝えるための構造と言語」の設計図です。

デザインコンセプトがしっかりしていないサイトは、どんなに美しいデザインや高度な機能を持っていても、成果に結びつかないのです。

今回は、BaseTreeが埼玉県深谷市を拠点に、熊谷市や本庄市など埼玉県北部と群馬県の中小企業向けに提供しているWebサイト制作サービスにおける「デザインコンセプト策定」に焦点を当て、なぜこれがWebサイト制作の成否を分けるのかを解説します。

なぜ多くのWebサイトは成果につながらないのか?

結論から言えば、多くのWebサイトが成果につながらない根本的な理由は「伝える構造と言語の未設計」にあります。

私がこれまで改善に携わってきた多くの企業サイトには、以下のような共通の問題がありました。

  • 結局何をしている会社か分からないと言われる
  • 採用後に「思っていたのと違う」と言われる
  • 営業のトークとWebサイトの中身が噛み合わない
  • 社員に説明を任せると話がズレる
  • ページはあるが、誰にも使われていない

これらは皆さんの会社のサイトにも当てはまるのではないでしょうか?

この問題は見た目のデザインや技術的な実装の問題ではなく、「何を、誰に、どのように伝えるか」という情報設計の問題なのです。

ユーザーは「美しいデザイン」や「かっこいいアニメーション」を求めているわけではなく、本当に求めているのは「自分の課題を解決してくれる情報」です。

デザインコンセプトとは何か?その本質的な役割

デザインコンセプトとは、単なる色やフォントの選定ではありません。

「Webサイトを通じて何を伝え、どのような体験を提供するか」を定義するものです。

  • 誰に(ターゲットユーザー)
  • 何を(提供する価値・メッセージ)
  • どのように(情報構造・表現方法)

デザインコンセプトを明確に定義することで、サイト全体に一貫性が生まれ、ユーザーへの情報発信がしやすくなります。

BaseTreeでWebサイト制作を行う際も、このデザインコンセプトの策定を重視しています。

なぜなら、これがサイト全体の「設計図」となり、後の工程の基準になるからです。

デザインコンセプトが果たす3つの役割

優れたデザインコンセプトは、以下の3つの役割を果たします。

1つ目|「一貫性の確保」

サイト全体で統一されたメッセージと体験を提供することで、ブランドの印象が強化されます。

2つ目|「差別化の実現」

競合他社との違いを明確に示し、なぜあなたの会社を選ぶべきかの理由を提示します。

3つ目|「成果への直結」

明確なコンセプトに基づいて設計されたサイトは、ユーザーの行動を促し、ビジネス目標の達成に貢献します。

これらの役割を果たすデザインコンセプトがあるかないかで、Webサイトの成果は大きく変わってくるのです。

Webサイトのデザインコンセプト策定プロセス

では、具体的にどのようにしてデザインコンセプトを策定すればよいのでしょうか?

BaseTreeでは、以下の5つのステップでデザインコンセプトを策定します。

STEP1:事業理解

まず最初に行うのが、クライアントの事業を深く理解することです。

  • 情報整理シートによる棚卸し(提供サービス、ターゲット層、訴求ポイント、競合状況など)
  • 経営者・事業責任者へのヒアリング(意思決定の軸、今後の方針、理念の源泉など)
  • 営業担当者・採用担当者からの現場視点の収集
  • 既存のWeb・広告データの分析(任意)

事業理解の段階で最も重要なのは、「なぜその事業を行っているのか」という本質的な部分を引き出すことです。

私の経験上、多くの企業は自社の強みや独自性を言語化できていないことが多いのです。

▶︎関連:【事業理解フレームワーク】成果につながるWebマーケティングの第一歩

STEP2:顧客理解

次に、顧客(ターゲットユーザー)を深く理解します。

  • ペルソナの再定義と意思決定プロセスの明文化
  • カスタマージャーニーの構築
  • 失注・成功ケースの分解分析(任意)

顧客理解におけるポイントは、「顧客が本当に求めているものは何か」を明確にすること。

表面的なニーズだけでなく、その奥にある本質的な課題や欲求を理解することが重要です。

これまで支援してきた中小企業の多くは、「自社の商品・サービスを売りたい」という視点でサイトを作っていました。

しかし成功するサイトは、「顧客の課題を解決したい」という視点で設計されています。

▶︎関連:顧客理解起点のWebサイト戦略と実践的分析手法

STEP3:競合理解

続いて、競合を比較分析します。

  • 競合サイトの情報構造・言語の調査
  • 差別化要素の抽出と可視化
  • 競合にないコンテンツ設計の立案

ここで重要なのは、単に「競合より良いサイトを作る」という表面的な比較ではなく、「競合とは異なる独自の価値をどう伝えるか」という視点です。

▶︎関連:競合を知りWebマーケティング戦略に活かす、Webサイト制作前にやっておきたい競合分析実践ガイド

STEP4:情報設計・コンテンツ構成

前述の3ステップで得た洞察をもとに、情報設計とコンテンツ構成を行います。

  • サイトマップ・階層設計
  • ページごとの情報設計方針の策定
  • 導線設計と行動誘導

情報設計やコンテンツ構成の段階では、「ユーザーがどのような順序で情報を得たいか」という視点で設計することが重要です。

情報の優先順位や関連性を考慮し、ユーザーが迷わず必要な情報にたどり着ける構造を作ります。

多くの企業サイトが「会社が伝えたいこと」を中心に構成されており、「ユーザーが知りたいこと」の順序になっていないことが大きな問題です。

▶︎関連:Webサイト構造設計の7つの原則と実践ガイド、「ページ単位の情報設計」見出し構成とメッセージ設計が成果を左右する

STEP5:UI設計・ビジュアル設計

最後に、UI設計とビジュアル設計を行います。

  • ワイヤーフレーム作成
  • デザインコンセプト策定
  • 画面モックアップとレビュー

ここで初めて「見た目」のデザインに着手します。

重要なのは、前段階までに定義した「伝えるべき価値」や「ユーザー体験」を視覚的に表現することです。

多くの企業が陥りがちな失敗は、この段階を最初に行ってしまうこと。

見た目のデザインは、あくまでも「伝えるべき価値」を効果的に表現するための手段であり、目的ではありません。

▶︎関連:Webサイト制作に必須!ワイヤーフレーム作成のポイント

デザインコンセプト策定がもたらす4つの成果

適切なデザインコンセプトを策定することで、以下の4つの成果が得られます。

1. 社内外での「共通理解」が形成される

経営者のビジョンや意思決定軸を明文化・構造化することで、社員・求職者・顧客との認識の齟齬が減少し、組織内外で一貫性を持った説明ができます。

ある製造業のクライアントと仕事をした際、経営者の頭の中にあった「ものづくりへのこだわり」を言語化・構造化したことで、営業担当者が自信を持って会社の強みを説明できるようになりました。結果として、問い合わせ数が1.5倍に増加したのです。

貴社でも経営者と現場の間で認識のズレがあるかもしれません。それを解消するだけでも、大きな成果につながる可能性があります。

2. 営業・採用・教育・承継に転用できる

ページ単位で目的・対象・メッセージを整理することで、資料化・再利用が可能です。

Webサイトが社内の育成資産・承継資産としても活用できるようになります。

あるクライアントでは、Webサイトのコンテンツを採用面接の説明資料として活用したり、新入社員教育の基本テキストとして使用したりしています。

採用から教育までの一貫性が保たれ、ミスマッチが大幅に減少しました。

3. 組織としての一貫した発信が可能になる

デザインやコンテンツが属人化せず、誰が発信しても「ズレない」情報設計により、ブランディングと信頼性が高まります。

支援した小売業のクライアントでは、店舗スタッフがSNSで情報発信する際に、Webサイトの言語やトーンを参考にすることで、ブランドイメージの一貫性が保たれるようになりました。

4. 継続的な改善と成果の最大化が可能

分析→改善→更新のサイクルを設計時から組み込むことで、Webサイトを固定資産ではなく「生きた営業・広報装置」として運用可能になります。

BaseTreeはWebサイト制作後も継続的な保守・管理サービスを提供しています。

クライアントのサイトを常に最新の状態を保ち、市場の変化に対応し続けます。

自社のWebサイトを評価するためのチェックリスト

最後に、貴社Webサイトが適切なデザインコンセプトに基づいているかを評価するためのチェックリストをご紹介します。

  • サイトを見た人が、あなたの会社が何をしているか5秒以内に理解できるか
  • ターゲットユーザーが明確に定義されているか
  • 競合他社との差別化ポイントが明確に伝わるか
  • 情報が顧客の意思決定プロセスに沿って構成されているか
  • 専門用語や業界用語が適切に説明されているか
  • デザインが「伝えるべき価値」を効果的に表現しているか
  • サイト全体で一貫したメッセージとトーンが保たれているか
  • ユーザーが次にとるべきアクションが明確か
  • モバイル端末でも快適に閲覧・操作できるか
  • 定期的な更新・改善の仕組みがあるか

半数以上に「いいえ」と答えた場合、デザインコンセプトの再策定を検討する価値があるでしょう。

まとめ|デザインコンセプト策定こそがWebサイト成功の鍵

Webサイト制作においてデザインコンセプトの策定は「あったら良い」ものではなく、成功のための「必須条件」です。

適切なデザインコンセプトは、以下の要素を備えています。

  • 顧客視点で構築されている
  • 伝えるべき価値が明確に定義されている
  • 情報が適切に構造化されている
  • ビジュアルデザインが価値を効果的に表現している
  • 継続的な改善を前提としている

BaseTreeでは、埼玉県深谷市を拠点に、熊谷市や本庄市など埼玉県北部と群馬県の中小企業向けに、このようなデザインコンセプトに基づいたWebサイト制作サービスを提供しています。

Webサイトを単なる情報発信ツールではなく、営業・採用・教育・承継に活用できる「情報資産」として構築することで、あなたの会社の成長を支援します。

デザインコンセプト策定から始まる成果につながるWebサイト制作について、ご興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。

詳細はWebサイト制作ページをご覧いただくか、無料相談をご利用ください。
成果につながる「情報発信基盤」としてのWebサイト制作をサポートします。

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