Web制作における品質管理の重要性|8つのチェックポイント
Web制作における品質管理の重要性|8つのチェックポイント

このページのコンテンツ
- Web制作における品質管理の重要性
- Web制作の品質管理とは?基本的な考え方
- Web制作の品質管理における8つのチェックポイント
- 品質管理を徹底するためのプロセス設計
- Web制作の品質管理における失敗事例と対策
- Web制作の品質管理を成功させるためのツールと方法
- まとめ|Web制作の品質管理で成功するためのポイント
- 本記事の著者
- 関連サービス
- Webサイトのデータベース
- 競合を知りWebマーケティング戦略に活かす、Webサイト制作前にやっておきたい競合分析実践ガイド
- 顧客理解起点のWebサイト戦略と実践的分析手法
- カスタマージャーニーマップの構築法と顧客理解の本質
- ペルソナ設計がWebサイトにもたらす効果とは?
- Webサイト保守の必要性とは?放置するリスクと対策
- Webマーケティングの成否は事業構造で決まる
- デザインよりも先に考えるべき!Webサイトの情報構造設計術
- デザイン重視のWebサイトが失敗する理由とは?
- Web制作におけるブランドガイドライン|一貫性ある表現のための6つの手法
- Web制作における品質管理の重要性|8つのチェックポイント
- CMSとレスポンシブ対応のWebサイト|制作会社に依存しない!自立運用型Webサイトのススメ
- Webサイト制作の成否を分けるデザインコンセプト策定とは?
- Web制作のコンセプト|5つの戦略的アプローチと7つのプロセス
- Webサイト制作に必須!ワイヤーフレーム作成のポイント
- WebサイトのCTA設計とは?見落とされがちなCTA最適化の重要性とメリット
- 「ページ単位の情報設計」見出し構成とメッセージ設計が成果を左右する
- Webサイト構造設計の7つの原則と実践ガイド
- Webマーケティングのデータベース
Web制作における品質管理の重要性
Webサイトは企業の顔であり、ビジネスの成長を左右する重要な資産です。
しかし多くの企業が「制作したはいいけれど成果が出ない」という状況に陥っています。
なぜこのような事態が起こるのでしょうか?
その根本原因は「伝える構造と言語の未設計」にあります。
単にWebサイトを持つことと、価値が正しく伝わる構造を持つことは、まったく別の話なのです。
実際、経済産業省の情報通信白書によると、日本国内のWeb制作市場は5年連続で拡大し、2024年には6700億円を突破しています。
企業の85%が自社Webサイトを中核的な営業・ブランディングツールとして活用している現在、品質管理の重要性はますます高まっているのです。
この記事では私が実践してきたWeb制作における品質管理の方法と8つのチェックポイントを詳しく解説します。
単なる「見た目の良いサイト」ではなく、ビジネスの成果に直結する「情報資産」としてのWebサイト構築の参考にしてください。
Web制作の品質管理とは?基本的な考え方

Web制作における品質管理とは、単にバグやエラーがないかを確認するだけではありません。
「Webサイトが目的を達成できる品質を備えているか」を確保するためのプロセス全体を指します。
品質管理の目的は主に以下の4つです。
- 品質の確保や基準値の達成をするため
- 堅牢なセキュリティ体制を構築するため
- パフォーマンスを最適化させるため
- バグの修正や変更作業などのプロセスを確立させるため
Web制作の全工程を通じて品質管理の視点を持ち続けることが重要です。
プロジェクト開始時の要件定義から、デザイン、コーディング、テスト、そして公開後の運用まで、一貫した品質管理の仕組みを構築します。
私が実践している品質管理の基本的な考え方は、単なるデザインやコーディングのチェックだけでなく、組織として価値を正しく伝える情報構造を設計できているか。
誰が読んでも・誰が案内しても価値が伝わるWebサイトを構築することが、私にとっての品質管理です。
Web制作の品質管理における8つのチェックポイント
では具体的に、Web制作においてどのようなポイントをチェックすべきでしょうか。
10年間のWEBディレクター経験から得た8つのチェックポイントを紹介します。

1. 目的と要件の明確化
Web制作の品質管理で最初に確認するのは「サイトの目的と要件が明確になっているか」。
「なぜこのサイトを作るのか」「どんな成果を期待するのか」を明確にしないまま進めると、後工程でいくら品質チェックをしても、根本的な問題は解決できません。
目的と要件の明確化には、以下の項目をチェックします。
- ビジネス目標(売上向上、問い合わせ増加、ブランディングなど)
- ターゲットユーザーの定義
- 主要なユーザーシナリオ
- 成功の指標(KPI)
BaseTreeでは、Webサイト制作の第一段階として「事業理解」を徹底的に行います。
情報整理シートによる棚卸し、経営者・事業責任者へのヒアリング、現場視点の収集、既存データの分析を通じて、目的と要件を明確にしています。
2. 情報設計の整合性
次に「情報設計」です。
サイトマップやワイヤーフレームが目的に沿って適切に設計されているか、ユーザーの行動導線が最適化されているかをチェックします。
情報設計の整合性チェックでは、以下の点を確認します。
- サイト構造が目的とターゲットに合致しているか
- 情報の階層が論理的で分かりやすいか
- ユーザーの導線が最適化されているか
- コンバージョンポイントが適切に配置されているか
多くの企業のWebサイトが成果を出せない理由は、「企業が伝えたいこと」と「顧客が知りたいこと」のギャップが解消されていないことにあります。顧客視点での情報発信基盤がないことが根本的な問題なのです。
3. デザインの品質
デザインは単に「見た目が良い」だけでなく、目的達成のための機能性を備えているかをチェックします。
- ブランドイメージとの一貫性
- ユーザビリティ(使いやすさ)
- レスポンシブ対応(各デバイスでの表示)
- アクセシビリティ(様々なユーザーが利用できるか)
- 視覚的階層の明確さ
BaseTreeでは、デザインフェーズの前に「デザインコンセプト策定」を行い、ブランドトーン、対象ユーザー、差別化要素を加味した方針を定義します。
「見た目ではなく伝わること」を重視した画面設計で、デザイン案を複数回レビューするプロセスを設けています。
4. コーディングの品質
見た目だけでなく、その裏側にあるコードの品質もWebサイトの性能や保守性に大きく影響します。
コーディングの品質チェックでは、以下の点を確認します。
- HTML/CSSの構造と記述の適切さ
- JavaScriptの動作確認
- 表示速度の最適化
- クロスブラウザ対応
- コードの可読性と保守性
技術的な最適化不足は、SEO、ページ速度、モバイル対応などに影響し、サイトが発見・閲覧されにくい状態を引き起こします。
BaseTreeでは、WordPress等のCMSを用いた設計と保守・改善まで含む支援体制を整え、技術的な品質を確保しています。
5. SEO対策の品質
どれだけ素晴らしいWebサイトを作っても、ユーザーに見つけてもらえなければ意味がありません。
SEO対策の品質チェックでは、以下の点を確認します。
- キーワード戦略の適切さ
- メタタグ(タイトル、ディスクリプションなど)の最適化
- コンテンツの質と量
- 内部リンク構造
- ページ速度とモバイルフレンドリー性
BaseTreeでは、基本的なSEO対策として、タイトル、見出し、本文構成、メタ情報、内部リンク、Alt属性などの標準装備を行っています。
さらに必要に応じてより高度なSEO対策も提供しています。

6. セキュリティ対策の品質
Webサイトのセキュリティ対策は、ユーザーの信頼を守るために不可欠です。
セキュリティ対策の品質チェックでは、以下の点を確認します。
- SSL証明書の導入
- 脆弱性対策(SQLインジェクション、XSS対策など)
- アクセス制限の適切な設定
- 定期的なバックアップ体制
- CMSやプラグインの最新化
BaseTreeの保守サービスでは、WordPress本体・プラグインの定期更新、脆弱性の検知とパッチ適用、動作確認と不具合報告対応、不審アクセスのログ監視と通知、セキュリティ診断による脆弱性レポートなど、包括的なセキュリティ対策を提供しています。
7. コンテンツの品質
Webサイトの価値を決めるのは、そこに掲載されるコンテンツです。
コンテンツの品質チェックでは以下の点を確認します。
- ターゲットに合わせた内容と表現
- 正確性と信頼性
- 読みやすさと構成
- 訴求力と説得力
- 更新頻度と鮮度
コンテンツは単なる情報ではなく、組織の価値を伝える重要な要素と捉え、経営者のビジョンや意思決定軸を明文化・構造化することで、社員・求職者・顧客との認識の齟齬を減少させる取り組みを行っています。
8. 運用・保守体制の品質
Webサイトは公開して終わりではなく、継続的な運用・保守が必要です。
運用・保守体制の品質チェックでは、以下の点を確認します。
- 更新作業の容易さ
- バックアップと復旧体制
- アクセス解析と改善プロセス
- 問い合わせ対応の仕組み
- セキュリティ対策の継続性
BaseTreeでは、Webサイト公開後も継続的な保守・管理体制を提供しています。
CMS管理・アップデート、セキュリティ対策、データバックアップと復旧体制、改善支援・アクセス解析など、サイトを「生きた営業・広報装置」として運用するための支援を行っています。
品質管理を徹底するためのプロセス設計
8つのチェックポイントを実施するためにはプロセス設計が重要です。
工業製品と同じように、Web制作においても品質管理プロセスの設計をおすすめします。

1. プロジェクト計画段階での品質基準の設定
Web制作プロジェクトを始める前に、品質基準を明確に設定します。
目的、ターゲット、KPIなどを踏まえて、各チェックポイントの具体的な基準を決めておきましょう。
例えば、「ページ表示速度は3秒以内」「モバイル対応スコアは90点以上」など、具体的な数値目標を設定することで、品質管理の判断基準が明確になります。
2. 各工程でのレビュー体制の構築
Web制作の各工程(要件定義、情報設計、デザイン、コーディングなど)で、品質チェックのレビュー体制を構築します。
レビューは以下の3つの視点で行うと効果的です。
- 専門的視点(技術的な正確さ、最適化など)
- ユーザー視点(使いやすさ、分かりやすさなど)
- ビジネス視点(目的達成への貢献度など)
BaseTreeでは専門ディレクターが一貫対応し、多角的な品質レビューを提供します。
3. テスト計画の策定と実施
公開前にテスト計画を策定・実施します。
- 機能テスト(各機能が正しく動作するか)
- 表示テスト(各ブラウザ、デバイスでの表示確認)
- ユーザビリティテスト(実際のユーザーによる使用感の確認)
- セキュリティテスト(脆弱性の有無確認)
- パフォーマンステスト(表示速度、負荷耐性など)
テスト結果を記録し問題点があれば修正して再テストを行います。
このサイクルを繰り返すことで、品質を高めていきます。
4. 公開後の継続的な品質モニタリング
Webサイト公開後も継続的に品質をモニタリングします。
指標を設け定期的にチェックすることが重要です。
- アクセス解析(訪問者数、直帰率、滞在時間など)
- コンバージョン率(問い合わせ、資料請求など)
- ユーザーフィードバック(問い合わせ内容、アンケートなど)
- SEOパフォーマンス(検索順位、流入キーワードなど)
- セキュリティ状況(不正アクセス、脆弱性など)
BaseTreeでは、月次/四半期ごとの改善提案・アクセス解析、メール・チャットでの定常サポート、CMS更新と安全性維持の自動通知・対応フロー整備など、公開後の継続的な品質管理を支援しています。
Web制作の品質管理における失敗事例と対策
品質管理の重要性を理解するために、よくある失敗事例とその対策を見ていきましょう。

失敗事例1: 目的不明確なサイト構築
多くの企業が「とりあえずホームページを作ろう」という姿勢でWeb制作に取り組み、結果として何を伝えたいのか不明確なサイトになってしまうケースがあります。
この失敗を防ぐためには、プロジェクト開始時に「なぜWebサイトを作るのか」「どんな成果を期待するのか」を明確にし、関係者間で共有することが重要です。
BaseTreeでは、事業理解のフェーズで徹底的なヒアリングを行い、目的を明確にします。
失敗事例2: 自社都合の情報設計
発信内容が「伝えたいこと」に偏っており、顧客が求める情報が見つけにくいサイトになってしまうケースも多く見られます。
結果として回遊性やコンバージョン率が低くなってしまいます。
この問題を解決するには「企業が伝えたいこと」と「顧客が知りたいこと」のバランスを取った情報設計が必要です。
BaseTreeでは、顧客理解のフェーズでペルソナの再定義と意思決定プロセスの明文化、カスタマージャーニーの構築を行い、顧客視点での情報設計を実現しています。
失敗事例3: 技術的な最適化不足
見た目は良くても、SEO、ページ速度、モバイル対応などの技術的対策が不十分で、発見・閲覧されにくい状態になってしまうケースがあります。
この問題に対処するには、技術的な品質チェックリストを作成し、各項目を確認するプロセスを設けることが有効です。
BaseTreeでは基本的なSEO対策、レスポンシブデザイン、表示速度最適化などを標準で実施し、技術的な品質を確保しています。
失敗事例4: 運用体制の未整備
公開後の更新や保守の体制が整っておらず、情報が古くなったり、セキュリティ問題が発生したりするケースも少なくありません。
この問題を解決するには、公開前から運用・保守の計画を立て、担当者や手順を明確にしておくことが重要です。
BaseTreeではCMS(WordPress等)を用いた設計と保守・改善まで含む支援体制を整え、継続的な運用をサポートしています。
Web制作の品質管理を成功させるためのツールと方法
品質管理を効率的に行うためには、適切なツールと方法を活用することが重要です。
BaseTreeで実際に活用している品質管理のツールと方法を紹介します。

1. チェックリストの活用
各チェックポイントを網羅したチェックリストを作成し、漏れなく確認することが基本です。チェックリストは以下のようなカテゴリに分けています。
- プロジェクト管理(目的、スケジュール、予算など)
- 情報設計(サイトマップ、ワイヤーフレームなど)
- デザイン(ブランド一貫性、ユーザビリティなど)
- コーディング(HTML/CSS品質、表示速度など)
- SEO対策(タイトル、メタ情報、構造化データなど)
- セキュリティ(SSL、脆弱性対策など)
- コンテンツ(正確性、読みやすさなど)
- 運用・保守(更新体制、バックアップなど)
チェックリストは、プロジェクトの規模や特性に合わせてカスタマイズしてください。
また、過去のプロジェクトの経験を反映して、定期的に更新することも忘れないようにしましょう。
2. 品質テストツールの活用
Web制作の品質を客観的に評価するためのツールを活用します。
- Google PageSpeed Insights(表示速度、ユーザー体験の評価)
- Google Search Console(SEO関連の問題検出)
- Microsoft Clarity(ヒートマップ分析)
- Lighthouse(パフォーマンス、アクセシビリティ、SEOなどの総合評価)
- CrossBrowserTesting(複数ブラウザでの表示確認)
ツールを活用することで、主観的な評価だけでなく、客観的なデータに基づき品質管理ができます。
3. ユーザーテストの実施
実際のユーザーによるテストは品質管理の重要な要素です。
- ユーザビリティテスト(実際のユーザーに特定のタスクを行ってもらい、問題点を発見)
- A/Bテスト(複数のバージョンを用意し、どちらが効果的かを比較)
- ヒートマップ分析(ユーザーのクリック、スクロール、注視の傾向を可視化)
- ユーザーフィードバック収集(アンケート、インタビューなど)
ユーザーテストは、開発者やデザイナーでは気づきにくい問題が発見できるチャンスです。
できるだけターゲットユーザーに近い人々によるテストしてもらいましょう。
4. プロジェクト管理ツールの活用
品質管理のプロセスを効率的に進めるために、「プロジェクト管理ツール」を活用しています。
- Asana, Trello, Jira(タスク管理、進捗管理)
- Slack, Microsoft Teams(コミュニケーション)
- Google Drive, Dropbox(ファイル共有)
- Figma, Adobe XD(デザインレビュー)
- GitHub, GitLab(コード管理、レビュー)
- Notion
BaseTreeでは、Notionを活用した情報管理と進捗管理を行っています。
Webマーケティング × Notion の連動で情報循環を実現し、戦略・実行・内製化までマーケティングとマネジメントのすべてを一貫支援しています。
Notionによる品質管理や業務効率化については下記を参照してください。
まとめ|Web制作の品質管理で成功するためのポイント
Web制作の品質管理は、単なるチェック作業ではなくプロジェクト全体を通じた継続的なプロセスです。
8つのチェックポイントを押さえ、適切なプロセスとツールを活用することで、ビジネスの成果に直結するWebサイトを構築することができます。
最後に、Web制作の品質管理で成功するための重要なポイントをまとめます。
- 目的と要件を明確にし、関係者間で共有する
- 顧客視点での情報設計を行い、「伝えたいこと」と「知りたいこと」のバランスを取る
- デザイン、コーディング、SEO、セキュリティなど、多角的な視点で品質をチェックする
- コンテンツの質と運用・保守体制を重視し、継続的な改善を行う
- 適切なツールと方法を活用し、効率的な品質管理を実現する
Web制作の品質管理を徹底することで、単なる「見た目の良いサイト」ではなく、営業・採用・教育・承継に活用できる「情報資産」としてのWebサイトを構築することができます。
BaseTreeでは、Webサイトを単なる情報発信ツールではなく、「経営資源」として機能させることを目的に、企業が持つ価値を顧客視点で翻訳・整理・構造化し、成果につながる情報発信基盤の構築を支援しています。
品質管理の徹底されたWeb制作で、あなたのビジネスの成長を加速させましょう。
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