Notionでつくるデジタル手帳ガイド〜導入から活用まで〜

Notionでつくるデジタル手帳ガイド
導入から活用まで

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Notionのデジタル手帳で実現する情報管理

手帳は私たちの日常に欠かせないツールですがデジタル化が進む現代では紙の手帳からデジタル手帳への移行が進んでいます。
その中でも特に注目されているのが多機能ドキュメントツール「Notion」を活用したデジタル手帳です。

Notionは直感的な操作性と高い自由度で理想の手帳を作ることができます。
単なるスケジュール管理だけでなく、タスク管理、メモ、プロジェクト管理など、さまざまな機能を一元化できるのが最大の魅力です。

「紙の手帳の良さは捨てがたい…」

そう感じている方も多いでしょう。私自身、10年間WEBディレクターとして多くのクライアントサイトを手がけてきた経験から言えるのは、デジタルツールは正しく使えば紙の手帳以上の価値を生み出せるということです。情報の検索性、編集のしやすさ、データの永続性など、デジタルならではのメリットを最大限に活かせるのがNotionです。

なぜ今、Notionでデジタル手帳なのか

Notionでデジタル手帳を作る最大の魅力は、情報の一元管理にあります。

従来の紙の手帳では、スケジュール、タスク、メモなどを1冊にまとめることはできても、それらの情報を関連付けたり、後から検索したりするのは容易ではありませんでした。また、複数の手帳やノートを使い分けている方も多く、情報が分散してしまうという課題もありました。Notionならこれらの問題を一気に解決できるのです。

私が2024年4月にBaseTreeを創業した際、まず取り組んだのが社内の情報管理体制の構築でした。その中心となったのがNotionです。クライアントの情報、プロジェクト管理、タスク管理、ナレッジベースなど、すべてをNotionで一元管理することで、情報の透明性と効率性が格段に向上しました。

手帳をデジタル化するメリットとして以下の点が挙げられています。

  • 情報が一元管理できる
  • 記録時間の短縮ができる
  • 検索機能がある

特に注目すべきは「記録時間の短縮」です。時間短縮効果は、ビジネスパーソンにとって非常に大きな価値があります。

あなたの大切な時間をもっと創造的な活動に使えるとしたら、どうでしょうか?

Notionデジタル手帳の基本設計

Notionでデジタル手帳を作る際の基本的な構成要素をご紹介します。これらを組み合わせることで、あなた専用のデジタル手帳が完成します。

1. ダッシュボード(ホーム画面)

デジタル手帳の玄関口となるダッシュボードは、最も頻繁にアクセスするページです。ここには、今日の予定、重要なタスク、最近のメモなど、すぐに確認したい情報をまとめておきましょう。

ダッシュボードには、以下の要素を配置するとよいでしょう。

  • 今日・今週の予定(カレンダービュー)
  • 重要タスク(ToDoリスト)
  • 最近のメモへのリンク
  • 習慣トラッカー
  • 目標や座右の銘

2. カレンダー(予定管理)

Notionのカレンダービューを活用して、予定管理を行います。2024年1月にリリースされたNotionカレンダーを使えば、さらに使いやすくなりました。

カレンダーデータベースには、以下の情報を含めると便利です。

  • 予定名
  • 日時(開始・終了)
  • 場所
  • 関連プロジェクト
  • メモ・準備事項

3. タスク管理

ToDoリストはデジタル手帳の中核機能の一つです。Notionではシンプルなチェックリストから高度なタスク管理システムまで自由に設計できます。

タスクデータベースには、以下のプロパティを設定すると効果的です。

  • タスク名
  • ステータス(未着手、進行中、完了など)
  • 優先度
  • 期限
  • 関連プロジェクト
  • 担当者(自分一人で使う場合は不要)

Notionデジタル手帳の高度な活用法

基本設計ができたら、さらに便利になる活用法を取り入れてみましょう。これらの機能を追加することで、デジタル手帳の価値がさらに高まります。

1. タイムブロッキングの導入

タイムブロッキングとは、1日の時間をブロック単位で区切り、各ブロックに特定のタスクや活動を割り当てる時間管理手法です。Notionのカレンダービューを活用することで、効果的なタイムブロッキングが実現できます。

タイムブロッキングには以下のようなメリットがあります。

  • 優先順位を明確にせざるを得ない
  • 深い集中を確保する
  • 意思決定のストレスを軽減
  • 時間の使い方が見える
  • 休憩やオフタイムを守りやすい
  • タスクの延々化を防ぐ

Notionでタイムブロッキングを実践する際は、カレンダーデータベースを作成し、1日の時間帯ごとに何をするかを計画します。これにより、「やることリスト」から「いつやるかリスト」へと進化させることができます。

2. 習慣トラッカーの設計

継続したい習慣を記録・管理するための習慣トラッカーも、Notionで簡単に作成できます。

習慣トラッカーのデータベースには、以下のプロパティを設定すると良いでしょう:

  • 習慣名(読書、運動、瞑想など)
  • 日付
  • 達成状況(チェックボックス)
  • メモ(任意)

このデータベースをカレンダービューで表示すれば、月単位での習慣の継続状況が一目でわかります。また、ギャラリービューやボードビューなど、異なる視点から習慣データを確認することも可能です。

3. ジャーナリング(日記)機能

日々の出来事や気づき、感謝したことなどを記録するジャーナリング機能も、デジタル手帳の重要な要素です。

ジャーナリングのデータベースには、以下のプロパティを設定すると効果的です。

  • 日付
  • 気分/感情
  • 今日のハイライト
  • 感謝したこと
  • 学んだこと
  • 明日に向けての意図

Notion手帳のメリットとして記録した情報を、さまざまな形で表示することができる点が挙げられます。同じ情報を異なる形で表示できる点がNotionの大きな魅力です。

Notionデジタル手帳のカスタマイズテクニック

Notionの魅力は自分好みにカスタマイズできる点にあります。デジタル手帳をさらに使いやすくするためのカスタマイズテクニックをご紹介します。

1. テンプレートの活用

繰り返し使用する形式のページは、テンプレートとして保存しておくと便利です。例えば、会議の議事録、週次レビュー、プロジェクト計画書などのテンプレートを作成しておけば、必要なときにすぐに新しいページを作成できます。

テンプレートを作成するには、まず雛形となるページを作成し、そのページの右上のメニューから「テンプレートとして追加」を選択します。これで、新しいページを作成するときにそのテンプレートを選べるようになります。

2. データベースの関連付け

Notionの強力な機能の一つが、データベース間の関連付けです。例えば、プロジェクトデータベースとタスクデータベースを関連付けることで、特定のプロジェクトに関連するタスクを簡単に抽出できます。

関連付けを行うには、データベースのプロパティとして「リレーション」を追加し、関連付けたい別のデータベースを選択します。これにより、データベース間を行き来しやすくなります。

3. ビューの使い分け

同じデータベースでも、表示方法を変えることで異なる視点から情報を確認できます。Notionでは、以下のビューを活用できます:

  • テーブルビュー:データを表形式で表示
  • リストビュー:データをリスト形式で表示
  • ボードビュー:カンバン方式でデータを表示
  • カレンダービュー:日付ベースでデータを表示
  • ギャラリービュー:画像付きでデータを表示
  • タイムラインビュー:時系列でデータを表示

例えば、タスク管理では、ボードビューで進行状況を確認し、カレンダービューで期限を確認するといった使い分けができます。

同じデータでも見方を変えることで、新たな気づきが得られることもあります。これは紙の手帳では実現できない、デジタル手帳ならではのメリットです。

あなたは情報をどの視点から見たいですか?

Notionデジタル手帳の運用のコツ

せっかく作ったデジタル手帳も、継続して使わなければ意味がありません。そこでNotionデジタル手帳を長く使い続けるためのコツをご紹介します。

1. 定期的なレビューと改善

デジタル手帳は使いながら少しずつ改善していくことが大切です。週に一度、月に一度など、定期的にレビューの時間を設け、以下の点を確認しましょう:

  • 使いにくい部分はないか
  • 必要な情報にすぐアクセスできるか
  • 不要な情報が溜まっていないか
  • 新たに追加すべき機能はないか

レビューを通じて、自分の使い方に合わせてデジタル手帳を進化させていきましょう。

2. モバイルとデスクトップの使い分け

Notionはマルチデバイス対応なので、スマートフォン、タブレット、パソコンなど、様々な端末から同じデータにアクセスできます。それぞれの端末の特性を活かした使い方を工夫しましょう。

  • スマートフォン:外出先での予定確認、簡単なメモ入力
  • タブレット:会議中のメモ取り、読書ノート
  • パソコン:詳細な計画立案、長文の執筆、データベース管理

3. オフライン活用の工夫

Notionはオンラインツールですがモバイルアプリではオフライン機能も利用できます。インターネット接続がない環境でも作業できるよう事前に必要なページをモバイルアプリで開いておくなどの工夫をしましょう。

重要な情報は定期的にエクスポートしておくことも大切です。Notionでは、ページやワークスペース全体をHTML、PDF、Markdownなどの形式でエクスポートできます。

Notionデジタル手帳の実践例

具体的なイメージを持っていただくために、Notionデジタル手帳の実践例をご紹介します。

1. ビジネスパーソン向けデジタル手帳

ビジネスパーソン向けのデジタル手帳では、以下の要素を中心に構成します。

  • プロジェクト管理(進行中のプロジェクト一覧、マイルストーン管理)
  • 会議スケジュールと議事録(Notionカレンダーと連携)
  • タスク管理(優先度、期限付き)
  • 顧客・取引先情報データベース
  • 業界ナレッジベース(記事のクリップ、メモ)
  • 週次・月次レビューテンプレート

特に、Notionカレンダーを活用した会議管理は効率的です。日時ベースで議事録を探しやすくなるというメリットがあります。

2. クリエイター向けデジタル手帳

クリエイター向けのデジタル手帳では、創作活動をサポートする要素を取り入れます。

  • アイデアバンク(ひらめきをすぐにメモ)
  • 制作プロジェクト管理(進行状況、締切管理)
  • 参考資料ライブラリ(インスピレーション源)
  • クライアント情報管理
  • ポートフォリオ管理
  • 創作習慣トラッカー

3. 学生向けデジタル手帳

学生向けのデジタル手帳では、学習管理を中心に構成します。

  • 授業スケジュール管理
  • 課題管理(提出期限付き)
  • 講義ノート(授業ごとに整理)
  • 試験対策ノート
  • 研究プロジェクト管理
  • 読書ノート

これらの実践例はあくまでも参考例です。自分の生活スタイルや仕事内容に合わせて、必要な要素を取捨選択し、オリジナルのデジタル手帳を作り上げていきましょう。

Notionデジタル手帳導入のステップバイステップガイド

ここまでの内容を踏まえて、Notionデジタル手帳を実際に導入するためのステップをご紹介します。

1. 現状の情報管理方法を見直す

まずは、現在どのように情報を管理しているかを見直しましょう。紙の手帳、メモ帳、スマホのメモアプリ、タスク管理アプリなど、情報がどこに分散しているかを確認します。

BaseTreeが提供するNotion導入支援サービスでも、最初のステップは「現状整理」です。現状の情報共有方法や課題をヒアリングし、ムダ、抜け、漏れ、重複などのボトルネックを整理します。

2. 必要な機能を洗い出す

次に、デジタル手帳に必要な機能を洗い出します。以下の質問に答えながら、必要な機能を明確にしましょう。

  • どのような情報を管理したいか(予定、タスク、メモ、プロジェクトなど)
  • 情報をどのように整理したいか(日付順、プロジェクト別、重要度別など)
  • どのデバイスで主に使用するか(パソコン、スマホ、タブレットなど)
  • 他のツールとの連携は必要か(Googleカレンダー、Eメールなど)

BaseTreeのNotion導入支援サービスでは、このステップを「構造設計」と呼んでいます。何をページ/データベースにするか全体図を作成し、売上向上や業務効率化など、共有いただいた課題に合わせてカスタマイズします。

3. 基本構造を設計する

必要な機能が明確になったら、Notionの基本構造を設計します。以下の要素を考慮しましょう。

  • ホームページ(ダッシュボード)のレイアウト
  • 必要なデータベースの種類と構造
  • ページ間のナビゲーション方法
  • 情報の階層構造

BaseTreeのNotion導入支援サービスでは、このステップを「構築支援」と呼んでいます。お客様による構築(ページ/データベース作成)を支援し、専任担当者が同席して運用を見据えたアドバイスを提供します。

4. テスト運用と改善

基本構造ができたら、実際に使ってみて改善点を見つけましょう。最初から完璧を目指すのではなく、使いながら少しずつ改善していくことが大切です。

BaseTreeのNotion導入支援サービスでは、このステップを「標準化・簡素化」と呼んでいます。構築メンバー以外の使いやすさを追求し、入力情報の型作成や操作の簡便化を図ります。

どんなに素晴らしいシステムも、使いにくければ続きません。あなたにとって使いやすいデジタル手帳を目指しましょう。

Notionデジタル手帳の長期的な発展

Notionデジタル手帳は、一度作って終わりではありません。長期的な視点で発展させていくことで、さらに価値のあるツールになります。

1. 定期的な振り返りと最適化

定期的に(週次、月次、四半期ごとなど)デジタル手帳の使い方を振り返り、以下の点を確認しましょう。

  • 使っていない機能はないか
  • 情報が探しにくい部分はないか
  • 入力や更新が面倒な部分はないか
  • 新たに必要になった機能はないか

振り返りを通じて、自分の使い方に合わせてデジタル手帳を最適化していきましょう。

2. 新機能の積極的な活用

Notionは定期的に新機能がリリースされています。例えば、2024年1月にはNotionカレンダーがリリースされ、カレンダー機能が大幅に強化されました。新機能が出たら、自分のデジタル手帳にどう取り入れられるか検討してみましょう。

noteの「Notionカレンダー導入後7ヶ月の活用状況を語る」では、「まさかNotionカレンダーの方が作業開始のトリガーになるとは!と、自分でも驚くくらい重宝している」と述べられています。新機能によって、使い方が劇的に変わることもあるのです。

3. コミュニティからの学び

Notionには活発なユーザーコミュニティがあります。ブログ、SNS、YouTubeなどで、様々な使い方のアイデアが共有されています。他のユーザーの工夫から学び、自分のデジタル手帳に取り入れてみましょう。

Notionデジタル手帳は、単なる情報管理ツールを超えて、あなたのスキルアップにも貢献するのです。

まとめ あなただけのデジタル手帳を作ろう

Notionを活用したデジタル手帳は、情報管理の新しい形を提供します。紙の手帳の良さを残しながら、デジタルならではの柔軟性、検索性、連携性を兼ね備えたツールとして、あなたの生活や仕事をサポートします。

本記事でご紹介した内容を参考に、ぜひあなただけのオリジナルデジタル手帳を作ってみてください。最初は簡単な構成から始めて、徐々に機能を追加していくのがおすすめです。

情報管理の効率化は、単なる時間短縮だけでなく、あなたの創造性を解放することにもつながります。必要な情報にすぐアクセスでき、アイデアを整理しやすい環境があれば、より価値の高い活動に集中できるようになります。

Notionの導入や活用にお悩みの方は、BaseTreeのNotion導入支援サービスもご検討ください。現状整理から運用開始後のフォローアップまで、専任担当者が伴走型で支援します。

Notion導入支援の詳細はこちら

本記事の著者